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第5章 月への道を

一晩眠りりえは元気になった。
タクヤと再び目を合わせ話す事が出来たのが
一番の元気の理由だった。

「四十九日か…早いようで遅いようだなぁ。」

りえがユウイチを恋しがるのも無理は無いだろうとタクヤは思った。
まだ49日しか経っていないのだから。

そんなにすぐに愛した人の死を忘れてしまうような女では無く、愛が深い女だから、自分はりえを愛したのだから…

りえは涙を溢れさせながら手を合わせていた。
タクヤも手を合わせながら父を思っていた。


りえとタクヤは手を繋ぎながら帰った。
子供達はりえとタクヤが仲良しになり
嬉しくはしゃぎながら二人の前を新井と歩いていた。

新井のやっていた料理屋で
みんなでユウイチの思い出を話しながら
昼食を取った。

泣いたり笑ったりしながら
ユウイチを偲びながら…