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Moon road〜月への道
第5章 月への道を
「詳しい事は検査をしてみないと分からないが、貧血がある。心労も大きいからなぁ…」
医師は新井に伝えてから帰った。

医師が帰ってからもタクヤとは連絡が取れなかった。

新井は事務所のソファで眠るりえを見つめながら
深く溜息をついた。

新井はいつもりえを見守り優しかった。

りえを撫でながら彼女の人生を想いながら涙を流していた。


朝になりタクヤは慌て帰ってきた。

「りえ!りえ?りえ!」

新井は慌てているタクヤに医師からの病状を伝え
朝食を作るために台所に行った。

りえは青い顔をして眠っていた。
タクヤはりえを突き放した事を後悔した。

朝に目覚めると、何度も電話が入り、メールで伝言が入っていて、驚いたのだった。

タクヤはりえの手を握り、手を摩っていた。

「りえ、りえ…ごめんよ。。りえ…」

りえの事が好き過ぎて
また以前のように傷付けてしまいそうな自分が怖くて
りえに対し距離を作っていたのだった。

あんなに強くりえを守ると誓ったのに…


りえが目を覚ますと、タクヤが心配そうに見つめていて驚いた。

いつも悲しい目をしていて
自分と目を合わせず
事務的にしか話しをしてくれ無かったタクヤが
自分を見つめ、優しい目で見つめてくれていた。

「タクヤくん?どうしたの?」
りえは怪訝な顔をしてタクヤに尋ねた。

「りえ?倒れたって…覚えてないの?」

りえは昨夜の記憶を辿った。
「あ…気持ちが悪くなって…ソファで休もうと…あら、そのまま眠ってしまったのかしら…」

りえが思ったより元気でいたのをタクヤは安心した。

「りえ、ごめんよ。りえ。」
りえを抱き締めながらタクヤは謝っていた。



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