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妄想短編
第5章 農婦≪野菜≫
ピーヒョロロー

鳶が空でぐるぐる旋回している

柚子は日課の農作業中。

「抜いても抜いても生えてくる…」

雑草を抜きながら一人ぶつぶつ言っていた。

そんな柚子を眺め、誰かが話している

『柚子さん…いつもありがとう』

ヒソヒソ…

『俺達…何か恩返し出来ないかな?』

ヒソヒソ…

『美味しく食べて貰うことしか………』

ヒソヒソ…

『あ!きたよ!』

一斉に黙る。

「まあ!大きくなって♪美味しそう☆」

そう言うと柚子は茄子、胡瓜、トマトを収穫した。

家に帰ると柚子は収穫した野菜達を台所に置いて 農作業で汚れた身体を風呂場で洗い流しに向かった

『ねぇ…ほんとに何も出来ないのかな?』

胡瓜が悲しげにトマト達に問いかける

『だって僕達は食べられる為に生まれて来たんだよ?美味しく育っただけで恩返しになるんじゃない?』

トマトはちょっと不機嫌そうだ

『俺だって、出来れば何かしたいさ!』

茄子が強い口調でいい放つ

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