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第73章 正式に同棲開始
「...でも、さ」

イタリア資金のために、絶賛節約中なのだ。
なるべく無駄な出費はしないように、日頃から羚汰にもお願いしている。
ワンピースタイプのパジャマは沢山持っているし、買い換える必要性を感じないのだ。

「でもさ、パジャマは贅沢品じゃなくない?」

エロいランジェリーを俺の趣味で買うなら、それはダメかもだけど。

羚汰がそう言って口を尖らせている。

稜がここの所着ているワンピースタイプのパジャマは、上半身がノースリーブになっていて。
胸のところにカップが内蔵されている。
そのため上半身がタイトになっていて、確かに脱がせにくい。

首に腕を回してその唇にキスをする。

「...じゃ、自分で脱ぐ」

そう言ったかと思うと、羚汰の体をぐっと突き放す様に少し乱暴に押す。

「え!」

羚汰の体が、そのままベッドに倒れる。

怒らせたのかと少し驚いた様子の羚汰が顔だけをあげると、その腰の上に跨った稜が途中までまくり上がったワンピースの裾に手をかける。

数秒見つめあった後、稜がそのクロスさせた腕を勢いよく上に持ち上げた。

そのまま一気に腕まで引き抜き、床にパジャマを落とす。

「...ヤバいね。それ」

乱れた髪を直している稜の腰に、太ももに手をかけていた羚汰が手をすすめる。

「こーやったら、いいでしょ」

稜が体を倒し、羚汰の顔に近づいてまたキスをする。

そっと触れてから離れて、また近づいて触れる。
その間に、羚汰の指が滑らかな稜の背中を這い回る。

不意にキスをやめた稜が、這っていた羚汰の腕を掴んで、自分の胸に誘導し、一緒に揺らす。
腰も僅かに動いていて、まだ服を着たままではあるが主張している羚汰の上で蠢いている。

「...ん...ふっ...」

「はぁ...。今日の稜、ほんとヤバいんだけど」

いつもと違って大胆な稜に、羚汰がすっかり舞い上がっている。

「だって...」

「ん?」

「今日の羚汰がかっこよくて...」

ピザ窯から一番遠い所に座っていたものの、ずっと羚汰が気になって実はチラチラ見ていた。

コックコートでピザを宙に投げて生地を作り、窯の火を見極めてピザを次々と焼く羚汰が、終始とても素敵だった。

「かっこよかった?マジで?」

胸の上で重なる手を、自分の胸を寄せるようにして動かす。

「すごい嫉妬もした...」
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