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第9章 協力
「大量に作って冷蔵しとくんです。何かと使い回しがきくんですよ。パスタでもピザでも。パンに塗ってもいいですよ」

そう言いながらも、何かタッパーでも探してくれている様子だ。

「ラ コルテ、のレシピ??」

ラ コルテ、とはリョウの勤めるイタリアンレストランの名前だ。

「あは。確かにそうですね。シェフ直伝なんで」

「うわ!欲しい!!!」

ラ コルテと聞いて、テンションがあがる。

タッパーがなかったのか、深めの器にソースを分けてくれる。

「本当は、一緒にどうですか?って誘いたいところですけどね」

そう言って手を止め、手伝おうかとカウンターに近づいた稜の顔を覗く。

ドキッとする。ホントにやめて欲しい。

稜が真っ赤にして顔を背ける。

「あは。ダメですよね〜。冗談です」

冗談よね。そうよ。でもびっくりする。

稜は、心臓の音を堪えるのに必死だ。

「じゃ、このチーズ、最後にふりかけて下さいね」

そういって、粉チーズもラップしてくれている。

「うわっ、チーズまで!?美味しそう!!」

その2つを稜は受け取り、玄関に足を向ける。

「ありがとう!今日はご馳走になりっぱなしで悪い...」

リョウが、振り返って礼を言う稜の上唇を右手親指でゆっくり撫でる。

「!!!!」

リョウの手が、顔を這っている。
その事実が受け止められずに、呆然とする。
一瞬の出来事だった筈だが、稜にはスローモーションのように感じられた。
優しく触れられたのに、当たった場所が電気が走ったようにピリッとする。
唇に触れた親指はもちろん、顎近くに添えられた4本の指からも電気が走ったようだ。
その電気が稜の全身を走る。

間違いない。

私、リョウが好きー。


稜は、気づいてしまった。

「...クリーム、付いてる」

長いと感じた沈黙の後、リョウがそう言って微笑んだ。

「うそ!」

稜は口を手で覆う。

「乾いてるから、濡らした方がいいよ」

そう言って、リョウが付近にあったのかウエットティッシュを差し出す。

「...ありがと」

顔を俯けたまま、口をそっと拭く。

そんなに前からついていたとしたら、恥ずかしすぎる。

拭きながら急いで玄関に向う。

「あはは。そんなに急がなくても」

「だって、恥ずかしくて」

「クリームついてても、可愛いですよ」

「もう!からかわないで」
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