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NEXT 【完結】
第74章 出発前
ノートパソコンのマウスに手を伸ばして画面を閉じようにも、力強い羚汰に阻まれる。

「ちょっと、羚汰っ」

「いいから、ちょっとだけ見よ」

恥ずかしさで顔から湯気が出そうだ。
両手でなんとか顔を覆う。

パソコンからは、信じられないような自分の声がする。


羚汰に何度も懇願され、根負けするカタチで始まった撮影。

始めた当初の『その1』『その2』の頃は、ほんの数分。
暗闇の中で、ほぼ声だけが撮れる程度だった。

それでも撮影をしているという緊張感で、いつもより二人共が盛り上がった。

次第に、羚汰が部屋を明るくしていって。

『その5』を撮る頃には、稜も口にこそしないが撮影が楽しみになってきた。

自分が見ることはない、と思っていたからかもしれない。

そんな稜の変化に気づいたのが、その次から羚汰が衣装のようなものを用意し始めた。

一度、いつも会社に行くような普通の服に着替えさせられて撮ったのがおそらく『スーツ』だろう。
羚汰が自分もスーツ姿になると言って。
その誘惑に負けてしまった。

そして、次に羚汰が持ち出したのが、この『エプロン』だ。
以前、シーツ等を買いに行った時に羚汰が自分で着るからと駄々をこねて買った、フリフリでピンク地に白い水玉模様の可愛らしいエプロン。
あれからずっと仕舞い込んでいたのに、羚汰が見つけてきた。

場所も、カウンターキッチンの中から始まる。

今と同じようなキャミとショートパンツの上に、エプロンを着ているのだが、エプロンの生地のほうが断然大きく、下に何も着てないかのようだ。

パソコン画面の中では、そんな少ない衣服も脱がされ下着も剥ぎ取られ、エプロンだけになった稜が悶えている。
流しにしがみつく稜を抱きしめるようにして、背に羚汰が舌を這わせている。

それから、ゆっくり下に下りてゆき、突き出したお尻を撫で回し、開いたお尻の間から舌を差し入れる。

「んあっ、やだあっ、恥ずかしいっ」

そう言いながらも、益々お尻を突き出すような仕草に、羚汰の動きが増す。
卑猥な水音がカウンターにこもって聞こえてくる。

いつしか、固まったように画面を見つめていた稜だったが、当時の事を思い出してじんわり体が熱くなってくる。

途端、稜の首筋に生暖かいものが這い上がり、ゾクゾクとしたものが体をめぐる。

「ひゃっ!」
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