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第74章 出発前

さっきの映像の中の自分は、思っていたほど動いていなかった。

それに比べて羚汰のあの腰つきは...。
腰から下が別の生き物かのように、大きく滑らかに動き回っていた。
思い出しただけでもぞくぞくする。

目を閉じ思い出しながら、思い切っていつもよりも大きく腰を振る。

「んぁああっ、あっ、すごっ、...いいっ」

羚汰にもっと気持ちよくなって欲しいのに、自分が高まってゆく。
それでも、羚汰の肩に手を置いて体を反らし、力を込めて腰をくねるように前後に動かし続ける。

「...はっ、その動きヤバ！」

羚汰の息が上がって、喜んでいるようで嬉しくなる。

閉じていた目を開けて、こちらを見つめていた羚汰と目が合う。

眉間にシワを寄せ綺麗な顔を軽く歪めつつも、その瞳が嬉しそうにこちらを伺っている。

「ん、おいで」

動きがイッパイイッパイになっていた稜は、腕を引っ張られ、また羚汰の腕の中に戻る。

「はぁあ、んぁっ」

「よく頑張ったね」

耳元でそう聞こえたかと思ったら、ソファに体をあずけていた羚汰がその体を動かしてゆく。

稜の足を腕に引っ掛けるように抱えたと思ったら、浅く座り直し、稜の腰を動かすと同時に下から突き上げる。

「やっ、だ、だめっ！...ああああっ！！」

もう限界に近かった稜の体が、その一突きで果ててしまう。

「ううっ...」

「っはあっ、...んっ、待って、まだっ」

落ち着くのを少し待ってから、また羚汰が動き出す。
稜としては、まだもうちょっとー。

「ああっ、あっ、...ほんとっ、まだっ」

羚汰の肩にしがみついて、まだ震える体を必死に耐えている。

どんどん羚汰の動きが加速して、そんな稜を責め立てる。

「羚汰っ、羚汰あっ」

「イイよ。何度でもイって？」

大きく息を吐く羚汰の顔になんとか唇を寄せる。
羚汰も気づいて、激しい動きの中でも舌を交わした。






汗ばんだ体を、２人でシャワーに入って流す。

稜としては、もう抵抗する力も残っておらず。
羚汰に促され、重い体を支えられるようにして汗を流す。

羚汰も流石にもう満足なのか、淡々とシャワーを済ませてあがる。

その後について風呂場から出ようとすると、少し高くなった敷居につまづきそうになった。

「きゃっ」

「おっと、大丈夫？」

羚汰に広げたバスタオルごと支えられる。