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第75章 キタエル
もう一つ前から参加しているヨガのほうは、なんだか体幹が鍛えられている気がするが。
それでも見た目はあまり変わったようにない。

そんなにビックリするほど痩せなくてもいいが、スタイルがいい羚汰に引け目を感じないー、せめて今よりは少し誇れる体になりたい。

「昼間は暑いから、日が落ちた夜走ってるんですけどねー」

夜が羚汰を思い出して寂しくなってくるのだから、ちょうどいいのかもしれない

1日ごと参加受付らしく。
このスポーツジム主催ではあるが、外部の一般の人の参加も可能で、1回500円と相場から言ったら破格値らしい。

「秋に隣の県のシティマラソンに参加してみよーと思っててー」

桃香はその痩せた友達に誘われて、シティマラソンに参加するらしい。
フルマラソンではなくハーフらしいが、それでも結構な距離だ。

「今流行ってるから、結構出会いがあるって聞いて〜」

どうやらその教室にも、外部のイケメンが参加してくるらしい。
桃香の目がキラキラと輝いている。

なんとなく納得する。

あれから桃香の話を直接聞いた訳ではないが、きっと忘れたいことがあるのだろう。

「じゃあ...、とりあえず1回参加してみる」

「やった!!」

善は急げで桃香に引っ張られ、受付でお願いすると、一番近い日曜日に申し込みが出来た。

「えっ。土曜日は、もういっぱいなんですか?」

土日とも予約済みの桃香が代わりに聞いている。

段々噂を聞きつけて参加者が増えつつあるらしい。
次の週の土日はまだ余裕があるが、この週末のはほぼこれで満員になったとか。

「やっぱり人気なんですよー!」

桃香がなぜか嬉しそうだ。


全く初めての参加なんですがー、と打ち明けると、担当の人も「初心者クラスですから大丈夫ですよ」と笑顔で説明をしてくれて、不安を和らげてくれた。

比較的走りやすい服と靴であれば、ジョギング用を買い揃えなくていいらしく。
本当に気軽な感じだ。

これなら出来そう、かな。


シャワーを浴びてスポーツジムを後にすると、マナーモードにしていたスマホが光っていた。

羚汰?

と慌てて開くも、連絡が入っていたのは千夏だった。


急にこの土曜日に貴之に飲み会が入ったとかで、飲みに行かないかとお誘いのLINEだ。

ちょうどジョギング講習も日曜日になったし、稜は喜んで返信をした。
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