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第75章 キタエル
終電の時間をとっくに過ぎ、有希子の持ってきたワインも空いた頃、稜のスマホが鳴り出す。

「あ、誰かさんじゃね?」

「りょーう!鳴ってるよー」

台所で洗い物をしていた稜に、千夏がスマホを差し出す。

画面を覗くと、案の定羚汰からLINEのビデオ通話で。
慌てて泡を落として、髪を整えてから画面をタップする。

「もっ、しもし」

「あ、起きてた?ごめん遅くなった」

音が少し悪いが、羚汰の声がする。

「まだ起きてるよ。大丈夫」

「おじゃましてまーす!」

カメラを2人にも向けて羚汰に様子を写す。

「あ、どうも。あはは。かなり出来上がってる?」

ワイン片手の千夏がカウンターに座っていて、その向こうのテーブルには有希子が座っている。
テーブルの周りにはワインの空き瓶が並び、お皿が山積みだ。

「まだまだこれからでーす!」

そう言いながら、千夏がテーブルに戻ってゆく。

少し気をきかせた...つもりかな。


「稜も、酔っ払い?」

「うん。結構飲んじゃった」

真っ赤な顔をしているからだろうか。
赤いのはワインのせいだけではないのだが。

「でも、何。洗い物?気をつけてよ」

「うん。ざざっと、ね」

ラザニアの器は放って置いたらヒドイことになりそうで。
とりあえず汚れを落として、水に漬けておきたい。

「そっちは、夕方?」

「あ、うん。そう。スーパーみたいなとこで、Wi-Fiが繋がるからさ。そこに来てんだけど。音悪いね」

画面の中の羚汰は、画質が悪く、時々コマ送りみたいに固まっては動き出す。
それでも3日ぶりぐらいの羚汰だ。

「ううん。嬉しい」

カウンターの中に沈んで、千夏たちにわからないように声をひそめる。

「ごめんな、あんま電話出来なくて」

「ううん。そんなことない」

3日ぶりに見る羚汰は、少し日に焼けたのだろうか、白かった肌が焼けて見える。

「羚汰、日に焼けた?」

「えっ、マジで?これでも、ちゃんと毎日日焼け止め塗ってんだけどなぁ」

イタリアの紫外線は、キツイらしい。
すっかりイタリアっぽい顔になっている気がする。

どこをどうと言われても説明出来ないけど。

「あー、早く稜がこっちに来ればいいのに。顔みたら会いたくなったよ」

「...まだ一ヶ月近くあるよ」

まだ羚汰が経って1週間ちょいだ。
先のが長いのに。
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