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NEXT 【完結】
第76章 いざ、イタリアへ
長時間のフライトの後ではあるが、空港まで迎えに来てくれた羚汰に案内され、早速観光の予定だ。

そうでもしないと、短い旅行期間の中でめぼしい観光地は回りきれない。

「大丈夫。寝つきはいいから」

そうは言ったものの、ここまで長時間のフライト経験がないので、どうなるやら何とも勝手がわからない。

「早くぎゅってしたい」

「うん。もうすぐ行くよ」

「前は3週間だったじゃん?1ヶ月なんてそん時と変わんないって思ってたけど、やっぱなげーわ」

ラコルテのオーナーに連れ回された時は、3週間だった。
それでも、それは日本のどこかであって、やはり今回とは違う。

「...だね。長かった」

「うん。だから、早く来て」

早くと言われても。
もう決まっているのだが。
そんな風に頼む羚汰がかわいい。
つい笑ってしまう。

「うん」

「よし!じゃあー。早く寝て!」

「うん。わかった」

「はい。じゃね。切るよ」

もうすぐ。もう1日程で会えるのに。
この電話が、とてつもなく切りにくい。

伸ばした手が、画面の手前で止まってしまう。

「稜?切らなきゃ」

そういう羚汰も自分から、終わらそうとしない。

「...うん。そうなんだけど」

羚汰が画面の中で、笑っている。
つられて稜も笑ってしまう。

「早く寝なきゃ」

「分かってるんだけどー」

にっこり笑う羚汰に、もうすぐ会える。
そう思うと、嬉しくもあり。
早く電話を切らないといけない寂しさもある。

「明日は忙しいよー?寝てないと、電車とか新幹線とか乗り過ごしちゃうかもよー?」

「そうだよね。寝なきゃね」

言い聞かせるような稜の言葉に、また羚汰が笑う。

「オヤスミ」

「おやすみ」

それでも勿体なくて、電話が切れない。

「じゃ、一緒に切ろう」

「...うん」

「せーの」

羚汰の掛け声がして。

きっと羚汰からは切らない気がして。

稜は、腕に力を入れて伸ばして、なんとか画面を切った。

きっと羚汰は笑っているだろう。


羚汰の笑顔を思い浮かべながら、稜は布団に入った。









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