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第76章 いざ、イタリアへ
画面の中では、水着を全て着た稜が、寝室のドアから現れている。

「えー。なんで上、着てんの?」

不服そうな羚汰の声が大きく聞こえる。

水着とセットの上着、といっても薄いワンピースみたいなものだが、それをちゃっかり着て出てきたのだ。
羚汰が望んでいるのはビキニだけとわかってはいたものの、そんな勇気は出ない。

「だってー」

「その上着いらないじゃん。ビキニ姿が見たいのにっ」

「これも水着だし。ーはい。見せたから、着替えるねっ」

確か一瞬だけなら見せるといって着替えた。

寝室に戻ろうとする稜にずんずんと近付いて、着ているホルターネックのワンピースを脱がせようとしている。

「ちょっと、羚汰っ。もういいでしょ」

「捕まえたっ」

画面が外れてどこかにスマホを置かれたようだ。
確かこの時キスされて、それに夢中になっている間に羚汰の手があっという間にワンピースを脱がせた。
水着と同じような生地なので伸縮性があって、首の後ろの結び目を解いて下に引っ張れば脱げてしまう。

「ん...ずるい」

「なんで?よし、これでOK」

置かれていたスマホが高く持ち上げられ、羚汰にしがみついているビキニになった稜が写る。
同時に嬉しそうな羚汰も画面に写る。

「すっげ、生地ちっちゃ!エロ~!」

稜の体の上を舐めるように画面が移動する。
写る背中は、上は紐状態だ。
勿論、パンツは羚汰の好きな横が紐になっていて、チョウチョ結びになっている。
流石に解けないように縫い付けてあるようだが。

「もう、これがいいって、羚汰が選んだんじゃん」

「ほら反対向いて」

えー。とか言いつつ、画面の中の稜は反対を向いて、前が映る。
水色地に派手な小花柄の水着だ。
ワイヤー入りなので、そんなに大きくない胸でも、形よくホールドしてうっすら谷間が出来ている。

稜も試着した時にこのホールド感は気に入って、ワンピースもあるし、と購入したのだ。

「美味しそうなおっぱい」

スマホを掲げてない羚汰の手が、後ろから回ってそのビキニの上から胸を掴む。
同時に首筋に唇を寄せて、ちゅっと音を立てて吸いつく。

「んっ、やだ。もう写すのやめて...」

「やめるのは写すのなんだ?」

楽しそうに笑った羚汰の指が器用にビキニを避けて、胸を揺らす。
同時に耳の縁に舌を這わせて音を立てる。

「ん...ふ...」
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