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第76章 いざ、イタリアへ
優しくそっと唇が触れて、久しぶりのその感触に稜からも羚汰の唇に吸い付く。

もっと、もっとして欲しくて、背中に回した手に力が入る。

そんな稜の思惑とは逆に、顔を挟むようにして羚汰がそっと離れる。

「...なんで?」

「皆にスゲー見られてる」

笑いながら嬉しそうに羚汰がそう言って、稜は思い出した。

キッチン台で羚汰を挟むようにしてるので、すっかり忘れていたのだ。

羚汰に促されて恐る恐る振り返ると、皆にこにこと笑ってこちらを見守っている。

中には、もっと情熱的にキスしろ。と言ってる人や。
短いぞー。と言っている人もいるようだ。

羚汰に腰を抱えるようにして抱きしめられる。
そのまま、皆に何やらイタリア語で説明しはじめた。

耳元で、羚汰の声がして不謹慎にもぞくぞくする。
そのぐらい羚汰の声が甘く、色っぽく響いて稜の体に染み渡る。

またわっと歓声があがり、中には拍手さえ起こった。

「...なんて言ったの?」

「俺の、だーーーい好きな恋人ですって」

抱きしめられたまま、羚汰に体を少しだけひねって尋ねる。
さっきの甘いトーンのまま、羚汰がそう言って稜の唇にまた吸い付いた。

喜んでいた周りの人たちも、流石にもういい加減にしろ的なことを言いながら、ぞろぞろ散らばり出した。

少し聞き覚えのある声がして、何やら話しかけてくる。

声の主はクラウディアさんで、キッチンのオーブンからパンを取り出している。
先程よりも、ずっと甘くて美味しそうなパンの匂いが部屋中に広がった。
焼きたてのパンが、目の前でごろごろとカゴに入れられる。

「稜、お腹減ってないかって」

そう言われると、すごくお腹が空いている。

「ペコペコ!」

ジェスチャーも使ってそう言うと、恐らく食べろ食べろとその山盛り入ったパンのカゴを手渡された。

クラウディアさんが、稜に向かってなにやら話している。

羚汰の顔を見ると。

「昨日は、真っ青な顔してた。ご飯も食べずに寝て心配した。今日はすごく顔色がいい。よく眠れたか?ーって、稜昨日は体調でも悪かったの?」

「あ、えーっと。飛行機であまり眠れなくて...」

あんなに羚汰に飛行機で眠るように注意されていたのに、一睡もしてないとは言いにくい。

羚汰が小さく笑ってクラウディアさんに説明している。

クラウディアさんも笑ってくれて安心する。
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