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NEXT 【完結】
第77章 異国の地
アレックスが電話に出たのだろう。
イタリア語で何やら会話をしてから、電話を切る。

「ねえ。もうちょっとここに居たら、夕日が見えるんじゃないかな?」

まだ日は高く明るいが、随分傾いては来ている。
稜としては、このままイタリアの海に沈む夕日を見てみたかった。

「うーん。夕日の頃は、ちょっと...」

と羚汰はノリ気でない。

どうやら、夜はこのあたりはあまり治安がよくないらしい。
地元の住人でも、暗くなってからは出歩かない。

「!そんなに!」

「クラウディアのトコもちょっと丘になってるから、夕日見えるよ」

ほどなく迎えに来た、アレックスの車に乗り込んだ。

一応、稜にも少しでもわかるように、2人は英語で話してくれる。

羚汰がバイトしていた店にピザを食べに行ったことを報告しているようだ。
フランコがアレックスが全く顔を出さないとぼやいていたことも。

笑ってその話を躱したアレックスが、美味しかったか?と、稜に聞いてくる。
何て返せばいいのかわからず、大きく頷くことしか出来ない。


クラウディアさんのお家についた稜は、改めてその大きさに驚く。

昨晩は、夜遅くて暗くてよくわからなかったし。
今日のお昼頃は、羚汰が急かしてきたので大慌てで乗り込んで、また車の中で化粧していたので、外をゆっくり見る間がなかったのだ。

ベージュや白などのタイルに覆われたお家は、とても可愛らしい。
色とりどりの花やいい匂いのするハーブに囲まれた石畳を歩いて、玄関にたどり着く。

家の中に入ると、そこそこの人がいてざわざわと用意していた。

見ると、リビングの大きな窓から庭に出た所に、テーブルがあり。もう料理がいくつか並べられていて。
初めて見る広い庭で、小学生ぐらいの子供たちが走り回っている。

口々に羚汰たちをお帰りと迎えてくれ、また初めての人たちが挨拶してくれる。

キッチンの奥で忙しそうにしているクラウディアにも挨拶をする。

ピザは美味しかったか、それでも私の料理も食べてちょうだいよ。
そう言っている気がして、その度に頷く。

それから、羚汰も稜もアレックスでさえも手伝って料理を運び。
夕日が庭に落ちかけた頃、乾杯となった。




「あー。美味しかった。本当にお腹いっぱい」

あれから宴会は4時間ほど続いて。
次々と追加の料理も出てきて、終わらないかと思ったぐらいだ。
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