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第77章 異国の地
昨日と同じ寝室の壁際にある大きな白い鏡台の前で、化粧水をする。
広くて静まり返った部屋に、稜の話す言葉だけが広がってゆく。
緊張で、喋ってないと落ち着かない。

「...まだ?」

「えっと、もうちょっと??」

少し離れたベッドの上で待つ羚汰がこちらをじっと見つめているのが背中越しに伝わってくる。

昼間の太陽の下に長い間居たので、化粧水をしないとー。

そう言って羚汰の腕からなんとかすり抜けて鏡の前に座ってからもう数分は経っている。

少し不機嫌そうに羚汰が、大きく息を吐いた。

ギッという音と共に立ち上がり、稜に近づいてくる。

「もう待てない」

そう言いながら、稜の腕を引っ張って椅子から立たせると、そのままぐんぐんと歩いてベッドにたどり着く。

ちょっと乱暴なぐらいの力でベッドに押し倒され、またベッドが音を立てる。

「ひゃっ!!」

「...っ。ごめん。でも、もう待ったげれない」

覆いかぶさってきた羚汰が、ぎゅうっと抱きしめてくる。

懐かしい重さと、あの匂いが稜を一気に襲う。

稜を見つめる瞳は、少し悲しげでその奥から狂おしいほどの色気が漂っている。

唇が吸い込まれるように重なる。

こじ開けるように羚汰の舌がやってきて、咥内を駆け回ると、稜の舌を絡めとってゆく。

「んっ...ん...ふっ...」

羚汰の背中に手を回し必死でしがみつく。


「...ごめん。余裕、なさ過ぎだな」

息が激しく乱れた羚汰が、そう呟いて稜の髪をなでる。

稜は首を横に降る。

「私...心臓が...」

苦しそうに胸のあたりのガウンを掴む稜に、羚汰が驚いたようだ。

「えっ。心臓!?」

「飛び出しそうなぐらい...緊張しちゃって、苦しくて」

驚いていた羚汰の顔が、ふっと緩む。

「俺も。スゲー緊張してるから」

稜の手を掴んで、羚汰が自分の胸の上に持ってゆく。
同じ素材で出来たゴツいガウン越しに、高鳴る心臓の鼓動を感じる。

「...なんなら、稜と初めてシタ時より緊張してるよ」

そう言って、そのまままた抱きしめる。
稜も背中に回した手に力を込め、2人で抱き合う。
意識して耳を傾けているからか、互いの鼓動を感じ合う。

それから、なぜだか2人でふふっと笑って。
緊張が少しほぐれた。

優しくおデコにキスが落とされ、それから顔中に降ってくる。
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