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第10章 変化
習い事の話に興味はナイのか、数子は話題に入ってくることはなかった。

とある事故の書類作りに追われてもいる様だった。


それでも気をつけて、稜はお昼休みの時間に桃香をこっそり呼び出した。

「なんですか?」

稜が呼び出して話をすることなどまずないので、桃香は驚いている様だった。

「...その。言いだしにくいんだけど」

「はい」

「今度、...コンパがあったら、私も呼んでくれないかな?」

「え!」

「あっ、ごめんね。もし私が参加できるようなものがあったらで、いいの」

顔を真っ赤にして稜は言い訳をしゃべりだす。

「ここのところ彼氏いなくて、出会いもないし、待ってるだけではやっぱダメかなって。ちょっと自分から動こうと思ってて、色んな友達とかにも紹介をお願いするつもりなの。その一環で、その一応、桃香ちゃんたちのところにもお願いしようかなって」

「なるほど。ちょっと驚きましたけど、わかりました!次話があったら声かけますね!」

「ごめんね。ほんっと、人数足りない時とかでいいの」

「うふふ。大丈夫ですって。ホント心配性ですね」

「だって...」

「年下とかでも大丈夫ですか?年下でよければ、結構呼べると思うんですけど」

「年下...」

「やっぱダメですか」

「ううん。年下と付き合った事がナイのよ。逆に、私で大丈夫かな?」

「またまたぁ、気にし過ぎなんですって」

桃香が、稜の背中をたたく。桃香はアネゴ肌気質だ。

「そりゃ6つも7つも離れてたらちょっとーって思っちゃいますけど、今時3つ4つ年下なのは、全然アリですよ~」

「...そうなの?まあ、向こうがそれでもいいなら」

「うふふ。じゃ、設定出来たら連絡入れますね」

「くれぐれも数子さんには内緒でお願いね」

また大騒ぎされたら大変だ。

稜は力強く念を押した。


では、先に戻りますね。と言って桃香が事務所に戻る。

時間差を持たせるために、稜は非常階段でぼんやりしてから事務所に戻った。
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