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第79章 魅惑の島
イタリア語で何か言って。
それから日本語でまたしゃべる。

「また会いに来るからって、言ったよ」

「うん。絶対また来たい。...クラウディアが日本に来ることはないの?」

少し驚いた羚汰が、クラウディアに通訳している。

それまでしんみりしていたクラウディアが、急に喜んで。
稜の腕をつかんで、イタリア語で何やらまくしたてている。

「日本に行ってみたいって。アレックスに連れて行ってもらうってさ」

「本当!?」

クラウディアがうんうんと頷いて笑っていて、稜も嬉しくなって手をとって喜ぶ。
羚汰がそれを見て笑っている。

「俺が前に誘った時は、んな事言わなかったのにー」

同じくイタリア語でそう言ったのだろう。
それを聞いたクラウディアが、何やら腰に手をやって。
何か説教のように話し出して。
羚汰は、それを聞きながらたじたじと後退している。

「...なんて?」

一息ついたところで、クラウディアは笑顔で稜に向き直り。
手を握って、にこにこしている。

この落差はなんだろう?

羚汰が嫌いとか、怒っているとか、そういうのではない。
まるで、本当の孫を叱っているかのようだった。

「いや...。なんてゆーか、ははっ」

羚汰が思い出した様に、朝ごはんを並べだし。
それを見て思い出したのか、クラウディアも稜に椅子を勧めた。

少し腑に落ちないが、お腹がすっごく空いている。
後で羚汰に聞こう。

稜は、美味しそうなパンに手を伸ばした。



タクシーを呼んでもらい、クラウディアの家を後にする。

クラウディアは、見えなくなるまで家の前でずっと手を振っていた。


街を通り過ぎ、港らしき場所でタクシーを降りる。

そこは人だかりが出来ていて、その先には高速船が待ち構えていた。

その船に乗ってどうやらとある島に向かうらしい。

「行きたかったホテルって、島にあるの?」

「そ!」

あまり説明をしてくれないので、さっぱり分からない。

不思議がっている稜に、楽しそうに羚汰が笑っている。

「着いたらわかるよ」


船に乗り込むと、色んな国からの観光客で溢れていて。
日本人の姿もちらほらと見受けられた。

ほどなくして、小さな島に着いた。

狭い崖にカラフルな建物がひしめきあっている。
そこを覆うように鮮やかな花が沢山咲いていて。
岸辺には手漕ぎのボートが沢山並んでいる。
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