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第80章 promessa
部屋に戻ると、バルコニーに続く窓にほど近いソファに並んで腰を下ろす。

オレンジ色の部屋の明かりが、青白い部屋を温かくみせていてまた昼間とは違った印象だ。

「あれ。ラベル、ピンク色だ」

貰ったシャンパンの栓を抜こうとしている羚汰に、稜が話しかける。
完全に暗くなっていたディナーの所では、ラベルの色まで気づかなかった。

「ん。婚約祝いだし、ロゼかなー」

ポンっという音がして、上手い具合に栓が抜ける。

稜が持っていたグラスを羚汰が受け取り、薄ピンク色のシャンパンが注がれる。

ウエルカムドリンクは、琥珀色のシャンパンだった。
その時はグラスで貰ったし。

「うわー、本当にピンク!」

「はい。乾杯しよ」

グラスを近付けて乾杯だ。

「近い未来の俺の美しい奥さんに」

「...っ」

普通に乾杯するだけだと思っていたのに、不意にそんな事を言われてビクッとする。
羚汰はそんな稜の反応を見て、楽しそうに笑っている。

「稜は?」

「えっと、...ふ、2人に乾杯」

うん。まぁ、よし。

そう言ってグラスを掲げ、2人でシャンパンを飲む。

「美味しい...」

「うん。タダでくれたから期待してなかったけど」

甘ったるそうな見かけと違い、結構な辛口だ。

「はぁー」

続けてくいーっと飲みきった羚汰が、ソファに体を預ける。
それから思い出したように、ふふっと笑っている。

「どうしたの?」

「結構、緊張したー。おかわりちょーだい」

グラスを手渡され、テーブルのボトルから今度は稜がシャンパンを注ぐ。

「緊張?」

「そら緊張するっしょー!」

手渡されたシャンパンを、またしてもくいっと飲み干す。

「え、ちょっと」

「緊張してて、さっき何食べたとか、何飲んだとか、あんま記憶にない」

「うそ!」

そんな風には全く見えなかった。

そう言われてみれば、羚汰にしてはお酒を飲んでいない気はした。

グラスをテーブルに置いた羚汰が、稜の体を抱きしめる。

「ひやっ。ちょっと、グラス」

まだ1杯目を飲み干せてない稜が、零しそうになって慌てる。

プロポーズされるとは思ってなかった稜は、景色も食事も堪能したのだ。
お腹が結構いっぱいで、あまりシャンパンが進まない。

「はい。こっち置いてー」

グラスを強制的に取り上げられ、テーブルに置かれる。
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