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NEXT 【完結】
第81章 ばたばた観光
そういえば、クラウディアとお別れする時。
なにやら羚汰と盛り上がってイタリア語でやりとりしていて。
何を言い合ってるんだろうと疑問に思ったことを思い出す。

「それも、近いうちに必ず式挙げろって」

結婚式。

なんだか、プロポーズしてもらったことで、浮かれていたけど。まだどこか夢みたいで。
結婚式、と聞くと、現実なんだと実感する。

ふわふわして、こそばゆくって、だけど冷静な自分もいる。
なんとも不思議な気持ち。

「籍はともかく式のほうはまだ何ともなー」

男性は結婚式には特に興味はないだろう。
ましてやまだ学生で。
しかも卒論にも忙しい上に就職活動中だ。

確かに結婚式は、後になってもいい。
それこそ、羚汰が卒業して、就職して、落ち着いてからー。
それこそ、お金もいるし。

そう思って頷いてると、羚汰かつないだ手を持ち上げて、稜の指に唇を当てている。

「稜が俺のって、早く皆に見せびらかしたいけど。今からスグ挙げられるトコってどこかあっかなー?」

「えっ。そんなすぐ、式、挙げるの?」

「ええっ!ダメ?そりゃ立派なホテルとか無理だけど。今頃レストランウエディングとかあんじゃん」

羚汰のバイト先のラコルテでも、披露宴だけじゃなくて式まですることも多い。
その場合は人前式なことが多く。
親族やお客さんの前で、結婚を宣言する。

「それだとそんなかかんないし。あーもう、ラコルテに頼むかぁ。稜が嫌じゃなければ」

「嫌じゃない、けど...」

「本当に?じゃ、決まり。連絡しとく」

こんなにトントンと決まっていいのだろうか。
何か忘れている気がするのだが。

羚汰が不安そうな顔をして覗き込んでくる。

「...何?やっぱラコルテだと嫌?」

「違うよ。なんだか、展開がすごい早くて。追いつけない感じでー」

本当はそれだけじゃない気がする。
やっぱり何かを忘れているようなー。

不安が拭えなくて、なんとかそれを羚汰に伝える。

「何か、って何さ?」

そう言って笑っている。

「もうマリッジブルーなの?」

「そんなこと...ないよ」

否定したものの、マリッジブルーなんだろうか。
こんなすんなり決まってゆくことに対する恐怖だろうか。
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