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第81章 ばたばた観光
テーブルの上の紙ナプキンで口を拭きながら考えて、初めて羚汰の部屋に行ったときに同じように触られたことを思いだす。
思い出して羚汰の顔を見ると、テーブルに肘をついて前のめりになって覗き込むようにして笑っている。

「そんな顔してたらチューするよ?」

ふふっと笑った顔が、可愛くて胸がキュンとなる。

気が付いたら自分から羚汰の唇にチュっと重ねていた。

「ぷっ!」

羚汰が笑いだす。

我ながら恥ずかしいことをしたと思うが、ここイタリアだし。

「じゃ、稜もヤル気になったみたいだし、行こっか!」

いつの間にか会計が済んだのか、羚汰がカードをしまいながら立ち上がる。

「え。どこにっ」

慌ててカプチーノを飲み干す。

立ち上がった羚汰の顔がまた至近距離にやってきた。

「ホテル」

「!!!」

続きをするという事だろうか。

「と、言いたいところだけど」

「違うの?」

ほっとしたような、ガッカリしたような。

つないだ手を引っ張られながら、バールを後にする。

「今日は見せたいものがいっぱいあるんだ~」

人ごみの中、どんどん足早に歩いてゆく。

いつもなら肩が触れるぐらい近くで歩くのに。

バールでキスしたのマズかったかな。


そう思っていると、何やらすれ違う人がいつの間にか増えていて。

一層人の多いどこかに着いたようだ。

「ふぅ、着いた~」

「うわあ!」

街中なのに、急にひらけたその場所は、白い大理石らしき彫刻が立ち並ぶ有名な噴水だった。

羚汰はまだ稜の手を引っ張って近くまで進むと、なんとか空いていた噴水の縁に座り、稜をいつものように抱き寄せ座らせる。

「さ、続きしよっか」

「ふへっ」

顔にかかる髪を撫で邪魔にならないように後ろにやると、稜の顎を持って近付ける。

「どうせなら、ここでシてよ。さっきの続き」

「う...そ...」

すごい人が多いんですけど。

羚汰の息が顔にかかる。

「ね?してくれないと、俺からするよ。エロいやつ」

こうなったら、羚汰はするまで離してくれない。

えいっと気持ちを決めて、羚汰の唇に自分の唇を押し当てた。

「...えー。もう終わり?ってか、今のキス?」

「だって。人多いし」

冗談じゃなくて、こうやって座っていても肩が当たるほどすぐ近くを人が通る。
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