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第81章 ばたばた観光
皆噴水に夢中でこちらなど気にしていないだろうと思っても、はやり気になる。

デジカメやスマホなどを掲げて撮影している人も多い。

当然ながら日本人も多くて。

「稜、こっち見て」

そう言われて、周りばかりを気にしていたことに気付く。

「キス...したくない?」

そんな少し困ったような切ない顔をされても。

胸が高鳴って同時に苦しくて、芝居だと分かっていても羚汰に引き寄せられる。

ゆっくり唇が重なって、舌が触れる。

優しくて甘ったるい、そんなキス。

「ん...ふ...」

気持ち良くて、離れたくなくて。

気が付くと、遠慮がちだった体が羚汰にしがみ付いていた。

「...ヤバイ。やっぱホテル帰りたいかも」

稜の体を抱きしめながら羚汰がつぶやく。

「嫌よ。まだ、観光、してないもん」

そう言いながらも、羚汰の体に腕を回したままだ。

「はは。だね」

羚汰の体が笑って振動し、それすら心地いい。


どのくらいか、そのまま泉で抱き合っていた。

「じゃ、次、行きますか」

「ん」

立ち上がり、人ごみを掻き分けて進む。

「歩ける?こっから、結構歩くけど」

羚汰に場所はすべてお任せだ。
稜の行きたいところは、日本でガイドブックを見ながらいくつか伝えてある。

「大丈夫!お腹も落ち着いて来たし」

「そっか」


羚汰は、時折こちらで借りたというスマホで位置情報を確認する程度で、街を案内してくれた。

早く閉まりそうだという美術館を先に回り、それから教会、お城。

段々夕方になり、景色が変わってゆくのも趣があって素敵だ。

ほとんどの観光名所はちょっとしたライトアップもしていて、夕方になっても楽しめた。


「疲れた?休む?」

そう時折声もかけてくれるが、なんだか休憩していたら時間が勿体ない。

時間のある限り、街を歩き回った。

どの場所も、途中の景色さえ息を飲むほど素敵で、足の痛さなど感じなかった。


昼食を遅くに取ったので、その流れで晩御飯も遅くなった。

レストランタイプのバールだ。

レストランほど気取っていないので、軽装でも利用可能なのか嬉しい。

「いたた...」

座ってしばらくすると、足が痛くなってきた。

「だから言ったのに~」

羚汰が楽しそうに笑っている。

「大丈夫、おんぶして帰ったげるから」
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