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第82章 イタリア最終日

数回奥を突かれただけで頭が真っ白になりかけて、今にも迎えそうになったのに、そこで羚汰が動きを止める。

「っは...はぁ...なん...で...」

少し怒ったような羚汰が、抱き抱えた体を起こしてゆく。

その羚汰にしっかりと腕を回し、抱き合って座る体勢だ。

無言の羚汰が、座って抱き合った途端小さく笑った。

「稜が煽るから、余裕なくなる」

抱き合っていた体を少し緩めて、羚汰の手が頭を撫でる。
その手がそのまま背中を通ってお尻にゆっくりと降りてゆく。
その指が気持ちよくて、体がくねる。

「煽ってなんかー」

「...お願いだから、一緒に気持ちよくなろ」

首筋に唇を寄せると同時に、ゆっくりお尻を触っていた手にぐいっと力が入る。
既に深く入っていたのに奥を刺激されて、体がビクッとする。

「んあっ...」

「ほら、稜も動いて？」

少し仰け反るようにした羚汰の肩に手を置いて、腰をつかんだ羚汰の手の動きに合わせゆっくりと体を動かしてゆく。

蜜を纏ってにちゃにちゃと音を立てながら、硬いものが擦れてゆく。
ゆっくりとした音がすごくいやらしく耳につく。

「んっ...あっ、すご...い...」

「はぁっ...ほんと、すご...」

どちらともなくまた抱き合って、舌を絡める。

それが合図かのように、ベッドの軋む音が加わって、２人の吐息も唇から漏れる。

「っあっ、りょうっ...たぁあっ」

次第に上下に飛び跳ねる動きに変わっていて、稜は必死に羚汰の頭にしがみつく。

羚汰はまるで引き剥がすように稜の胸を揉み、時折その揺れる先を舐めまわしながら突き上げる。

「んあっ、あっ、...ああっ！」

体を反るように震わせて稜が果てるのを、羚汰は腕を回して抱きしめる。

唇が近付いて、優しく重なる。

「やだ...」

「え？」

羚汰が頭を撫で、顔にかかった髪の毛をよけている。
稜は力が入らず、羚汰の肩に手をやるのが精一杯だ。

「私ばっかりー」

稜は自分ばかりイくことに、恥ずかしさいっぱいになる。

あんなに一緒に、って言っていたのに。

くすりと笑った羚汰が、耳元にキスをする。

「じゃ、今度は稜が１人で動いて？」

そう言うと、手をつないだまま稜を残して羚汰が体をベッドに倒してゆく。

稜は、羚汰の胸に手を置いて、ゆっくりと動き出した。