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NEXT 【完結】
第83章 斎藤家
「へっ!?」

何だかんだといいつつ羚汰に流されていた稜は、驚きを隠せない。
そう言われてみると、羚汰に後ろから抱きしめられ、いつもの眠る格好だ。

「...何?」

「え、...ううん。なんでも、ない」

恥ずかしい。てっきり、その。

体は動かさずに軽くパニックになっていると、羚汰が力なくふふふっと笑っている。

「そんなにシタかった?」

「ちがっ!」

違わないけど、違う。
なんと言っていいか。

「お休み!」

「期待に添えなくてごめんね」

羚汰の手が、シーツをたぐり寄せる稜の指を探し出す。

「だから、違うもん...」

「誰かさんはさ、ずっと飛行機でぐーぐー寝てたけど。俺はどうしても寝れなくてさ」

確かに飛行機では、羚汰があまり眠ってなかった。

稜は少し振り返って、羚汰の頭をなでる。

「あんなに人には、眠ってって」

移動には時間がかかる。だから、しっかり眠ってと、飛行機乗る前に稜には何度も言ってきていた。
稜は、観光疲れと...モロモロで飛行機では心配することなく爆睡だ。

「うん。俺も眠るつもりだったんだけどさ。横で稜見てたら、眠れなくて」

「えっ、ごめんね。そんなイビキとかかいてた?」

羚汰に向かうように体ごと振り返り、その顔に手をかける。

「違う。稜が可愛くてずっと見つめてた」

手が取られ、そのまま手のひらに口付けされる。

「うそ」

「ウソじゃないし。んで、こうやって抱きしめたい衝動にずっと耐えてた」

手が引っ張られるようにして羚汰の顔が稜の胸に沈む。
稜は服を着たままなので、布越しではあるが羚汰の顔がこすりつけられる。

「っ、...ん」

「俺、稜を抱きしめてないと、眠れないカラダになっちゃったかも」

稜の体を抱きしめ、顔をその胸に沈めたまま、羚汰がこぼす。

「だから、あんま痩せたり鍛えたりしないで...」

今にも眠りそうな小さな声だったが、なんとか稜の耳に届いた。

そのまま羚汰はすうっと眠りについたようだ。

限界だったのだろう。
すぐに規則正しい寝息が聴こえてくる。

そんなに眠くなかったが稜も目をつぶり、すぐに深い眠りに落ちた。

心地よい幸せな眠りの中に。

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