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NEXT 【完結】
第83章 斎藤家
指の間で手が擦れてなんだか恥ずかしい。
ちょうどホテルが見えたところで、思いついて話題を変える。

「明日...何時に行くの?」

「んー。チェックアウトが11時だから、まぁ、それからかなー」

明日は、このホテルから電車で数駅の場所にある羚汰の実家にお邪魔する。
しかも、御両親のたっての希望で、そのままそこに泊まるのだ。

初めて聞いた時は驚いて、羚汰が冗談を言っているのだと思った。

「緊張することないって。そんな人たちじゃないし。それでも嫌だったら、駅のとこのホテルに行けばいいからさ」

歩けるほどの近くの駅にビジネスホテルがあるにはあるらしい。
相当古くあまりオススメしないとかで、是非家にーとなったのだ。

「そこ以外にも、ちょっと行けばラブホもあるしー」

エレベーターに乗り込んだところで、羚汰が抱きついて来る。
キスしてこようとするのをなんとか笑いながらかわす。
絶対防犯カメラがあるし。

「ラブホはないよー」

「えー。たまにはいいじゃん!」

御両親に挨拶行った日にラブホテルというのもどうだろう。

「ま、このホテルでもいいけど。同じ部屋は押さえてないよ」

このスイートルームは主にウエディングプランで使われる部屋らしく。
その日ホテルで結婚式を挙げた新婚夫婦がよく利用する。
平日の今日は空いていたが、明日は土曜でおそらくいっぱいだという。

長い廊下を歩いて部屋に着く。
それを聞くと、廊下ですら豪華なのも納得する。

カードキーを差し込み、ドアを開ける手が捕まれ、部屋に入った途端抱きしめられる。

「だからさ、どんなに声出しても大丈夫だよ」

「ふえっ」

後ろから耳元を食むようにそう言われて、体がビクリとする。
くすぐったくて、気持ちよくて羚汰に体を預けてしまう。

「そーゆー部屋だから。ここ」

そうでもない気がするのだけど。

反論しようとした唇が塞がれ、次第に壁に押しやられてしまう。
心地よいキスに応えていると、嬉しそうに羚汰が笑いながら抱きしめてくる。

「何?」

「いや、やっぱ稜もシタかったんだなと思って」

そうしゃべりながら、耳から首筋にいくつもキスを落としてきてくすぐったい。

「ん...だってー」

あっという間に、羚汰の手が肌の上を進んでブラジャーのホックが外される。

「!...ね、部屋にっ...」
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