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NEXT 【完結】
第83章 斎藤家
「あはは。忘れてると思った」

「うん...ごめんなさい」

ご両親に挨拶に行く事をスッカリ忘れるなんて。
このホテルに泊まっているのもその為なのに。

「あ、別に怒ってナイし。緊張してガチガチになっててもさ」

羚汰がそう言ってくれるものの、思い出した途端緊張をしてきた。
途端に食欲がなくなる。

「...残り、羚汰が食べて」

「え?こんなに!」

まだグレープフルーツが2コとカットパインが5つほど乗ったお皿を羚汰に差し出す。
しょうがないなと羚汰がパインをパクパクと口に入れる。

「ほとんど食べたから、こっちは食べて」

残すのも勿体ないので残りのグレープフルーツを食べる。
さっきと違って随分酸っぱく感じた。

「ホント緊張するような人たちじゃないって」


父親は、勤めていた会社を定年になったものの、顧問としてまだ週に2、3回は会社に行っている。
それ以外は、昔から趣味だった油絵に没頭している。
自分で描くのもそうだが、収集も趣味にしていて。
ウンチクも聞かせたがるので、家族から煙たがれている。

「稜も、掴まらないようにね。しゃべり出すと、ホント止まらないから」

ウチと反対だ。

稜の家は、母親が機関銃のように話して、父親は無口なのだ。

「お父さんがおしゃべりで、お母さんはそうでもないの?」

「まさか!」

輪をかけるぐらいよくしゃべるらしい。

母親は、ちょっと前までボランティアで留学生のお世話をしていた。
相談に乗ったり、家に呼んで御馳走したり、兄弟が使っていた部屋を貸して住まわせていたこともある。
今では、それが高じて本格的に留学生を助けるNPO財団を知人と立ち上げ、日々奔走している。
英会話スクールにも週何回か講師として教えている。

人とわいわい賑やかなのが大好きで。
家に招くのも大好きで。
御馳走を作ってもてなすのが大好き。

「家に着いたから、きっと山のように出て来るぞ」

「え、でも晩御飯は...」

確か、近所の中華料理屋を予約していると聞いた。

「腹ごなし、とかいっておそらくケーキとかクッキーみたいなやつ」

「え、それならいいじゃん!ケーキ好き」

羚汰も甘いものは好きなハズなのに、なんだかしかめ面だ。

「なんというか...、美味しい美味しくないで言うと、美味しくないんだよ!」

「ええっ!」
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