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NEXT 【完結】
第83章 斎藤家
イギリズ在住時代に近所の人に教えてもらった、イギリス伝統の、スコーンやプディング、パイやタルトなどのケーキ。

「聞いてるだけだと美味しそうだけど」

「うーん。説明難しいな。すげー不味いってワケではないんだけどね」

すっかり食べ終わり、なんだか残っている人も少なくなってきたので、レストランを後にする。

もうチェックアウトしないといけない時間だ。

「まあ、絶対出てくるから、食べたらわかるよ」

苦笑いしている羚汰とは逆に、稜は楽しみになってきた。
そんな本格的なスコーンを始めイギリス料理に馴染みがない。

「“アフタヌーンティ”なら、聞いたことあるけど、あんなカンジでしょ?」

お皿が3枚ほどスタンドのようなもので縦に連なっていて、そこにサンドイッチやらスコーンやらケーキやらがちょこちょこっと乗っている。
高級なホテルとかのカフェにある気がする。

「あはは。ウチじゃ普通に大皿にどーんって出てくるから」

本当に想像がつかない。

「毎回、一口食べて『ん?』ってなって、二口目恐る恐るいって『んんん???』ってなって、次は『...も、いい』ってなるんだだよねー」

羚汰の大袈裟な小芝居が可笑しくて笑ってしまう。


チェックアウトを済ませて、ホテルを出る。

羚汰の先輩は、出勤しているもののどこか別のフロアに居るらしく。
呼びますか。と聞かれたがそこまでするのも悪いので断った。

「さて。じゃあ、俺の街を稜に案内しよっかなー」

稜の実家に行ったときは、よく行った商店街や学校を見て回った。
羚汰もそれをするらしい。

「うん!楽しみ!!」


電車で少し移動して、羚汰の高校の校舎や、ちょうど部活をしていたサッカーグラウンドをフェンス越しに見たり。
良く通ったラーメン屋さんの前を通って匂いだけ嗅いだり。
小さいころ線路の橋を友だちと渡ろうとして、その近所のおじさんに根限りドヤされた場所。
ふざけていて落ちてウシガエルまみれになった用水路など。

羚汰のエピソードはどれも楽しくて、その頃の羚汰が目に浮かぶようだ。
楽しくて、嬉しくて、稜はずっと笑っていた。

「やべえ。すげー楽しい!」

あまり小さいころのことは覚えてないと思っていたが、その場所場所へ行くと、次から次へと思い出が蘇って来てたらしい。
笑い転げながら、羚汰の家に到着した。
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