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第84章 パイプベッド
「そ・れ・に!その指輪!!」

知世に指差して言われて、カードを持った手に皆の視線が集まる。

「あ、これは...」

はめたままのオパールの婚約指輪が、大きな存在感を放っている。
あまり婚約指輪っぽくはないが、この指で輝いているということはー。

「リョウくん、頑張ったね!!」
「あら。私はテッキリ、紛い物かと思ってたけど」

羚汰のお母さんが、カードを持つ手を自分に引き寄せる。

「やだ。本物なの?」
「えっと...」
「本物だよ。クラウディアに貰った」

羚汰が、指輪のストーリーを掻い摘んで説明する。

「なんだ。自分で買ったわけじゃないのか」

少しイヤミが入った羚汰の兄、修太朗の声が聞こえた。

「結婚指輪は、ちゃんと買うけどね!!」

ムキになって言い返している羚汰が珍しい。

「もー。珍しく兄弟揃ったんだから、喧嘩しないでー」

「してない」「そんなんじゃない」

歳がすごく離れた2人だが、揃って同じ口調で言い訳するところはよく似ている。

「で。いつ籍入れるの?」
「出来たら直ぐにでも」
「えっ。そうなの?」

直ぐにでもとは思ってなかったので驚く。
近いうち、とは思っていたが、直ぐにでも?

「稜の両親はまだこの事知らないから、説明してOK出たら、かな」

稜の手を握りしめていた母親から、羚汰がその手を取り返す。

「向こうの御両親にお会いしなきゃね。ね、おじーさん」

自分のことはユミちゃんと呼ばせたがるのに、自分の旦那はおじーちゃんと呼ぶのが何だか面白い。

「で、結婚式はー?」

知世が目を輝かせている。

「ん。まあ、年内?」
「年内??」

もう9月も半ばを過ぎたのに、年内ってことは??

「きゃ!ホント直ぐねー!」

こんなにトントン拍子でいいのだろうか。
今まで夢心地で、羚汰の結婚のことを考えていたが、期間を目にすると一気に現実が見えてくる。

知世は修太朗にドレスをねだって、子どもたちはじゃれていて。
羚汰の父親と母親は、近くにあった卓上のカレンダーを取り出して相談している。

「何?結婚、嫌になってきた?」

羚汰の声が耳元でして、体がビクッとなる。

「...違うよ。こんなに早く色々進むと思ってなくて」

きっと羚汰の家族には、反対されると思っていた。
まだ学生の羚汰と、歳が5つも上の稜なのだ。
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