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第84章 パイプベッド
お酒に強いと思っていた羚汰がこんなになったのを見たことがなかった。

稜から羚汰を離そうとするみんなの手を、羚汰が払い除ける。

「稜にさわるなぁー」

「はいはい。おみず」

イルマが水を運んでくれて、稜から手渡す。

稜を抱き抱えたまま羚汰が水を飲み、その喉仏が上下するのを稜は真近で見ていた。

向こうの方では、羚汰の母親が、羚汰に飲ませた2人を叱ってる声がする。

「っはーぁ!」

「大丈夫?」

「稜。ホントに俺、稜と結婚したい。スグ。今スグ」

顔が逃げないようにつかまれ、今にも唇が触れそうな距離だ。

「わかった!わかったから!」

さっきから、すっかり傍観者になった知世たちの目が気になる。

羚汰の力が急に弱まって、稜に体を預けた。

「ちょっと!」

「寝たわ」「寝ましたね」

あせる稜をよそに、慣れたように母親と知世が引き離す。

「えっと、その」

「ごめんねー。リョウったら、お酒強いほうなんだけど、冷酒には弱くって」
「いっつもこうなのー。たぶん修さんもそろそろ」
「そうね、アナタたちももう帰りなさい」

バタバタその場がお開きになって、片付けられてしまう。

「稜さん、リョウは放っといていいから、お風呂入ってらっしゃい。あ、その前にお部屋案内しとこうか」
「え、でも...」
「大丈夫。当分起きやしないから」

羚汰が聞いたことないイビキを立てソファで寝ている。

「この子も緊張したのかしらね?」

そうかもしれない。
いつも何気ないフリをしているけど。



稜は、風呂に入らせてもらい、羚汰の部屋に入った。

元々は羚汰の部屋で、今も帰った時はそうなのだが、普段甥っ子たちに使われているらしい。
たくさんのおもちゃや、それらを仕舞うケースが置かれている。
他にもダンボールがあったり、茜称たちのと思われる服もハンガーラックにたくさんかかっていた。
8帖近くある部屋が、ほぼそれらに占められていて。
腰高の出窓がある側に、昔から使っているだろうパイプベッドと、床に1組布団が辛うじて敷いてある。

稜は迷った挙句、床の布団に横になった。
ソファで寝ている羚汰を風呂上りに覗いてみたが、気持ちよさそうに熟睡しているようだった。
この部屋に戻ってくると思えないが、ベッドには羚汰が寝るだろう。

稜は今日の慌ただしい1日を思い浮かべながら目を閉じた。
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