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第84章 パイプベッド
それにしても、小さい頃の羚汰は可愛かった。
目がくりくりで。
小さな体にオシャレなダッフルコートを来てイギリスの公園を走り回っていた。

高校生の知世たちが、可愛くて遊びに通うのも頷ける。

スマホに保存させてもらえばよかった。
そうだ。明日お願いして、写メ撮らせてもらおう。
羚汰はきっと嫌がるだろうから、こっそり撮るしかない。

なんだか思いついたことが楽しくて、狭い布団の上で笑いながらぐるぐる回転する。

眠いはずなのに、頭が冴えてきた。

やはり羚汰との子どもが出来たら、あんなカンジなのだろうか。

つい想像してしまう。
なんだかイケナイことをしている気がしてしまう。

結婚、するんだもんね。
想像してもいいよね??

うふふ。ふふふ。

布団の上をまたぐるぐる。

「何笑ってんの」

その声と共に羚汰がドアを開けて入って来たようだ。
ドアから遠い床に寝ているので、羚汰の姿が見えない。

「羚汰?大丈夫?」

「ん。なんとかね。...てか、狭っ!また荷物増えてないか」

ぶつぶつ言いながら、羚汰がベッドのほうまでやってきた。

「そこ寝てんの?ベッド使えばいいのに」

確かに稜の寝ている床は、すぐ側におもちゃのカゴがあったりと寝ていて圧迫感がある。

羚汰が、パイプベッドに音を立てて座った。

「ふぅ」

「眠れば一緒よ」

「そうだけどさ。ったく。客を泊める部屋じゃねーだろ」

とうやら羚汰の母親は片付けがあまり得意ではないらしい。
お家自体も、決して汚いわけではないのだが、物が多くがちゃがちゃした印象だ。

あの母親を反面教師に、羚汰は自ら片付けをするようになり。
それで、あのマンションではコンパクトですっきりした生活をしていたらしい。

「うふふふ」

「何笑ってんの」

羚汰が少ししんどそうに横になる。

稜は、布団の上で座り直して、その羚汰に近づいた。

少し触れていたかっただけなのだが、手が繋がれ、ベッドに誘導される。

「しんどくないの?」

「...ちょっと。でも、一緒に寝たい」

ふふふ。

また笑って羚汰の胸の中にゆっくり背中を預ける。

「だから、なんで笑ってるの」

そう言う羚汰もつられて力なく笑い出している。

腕が回され、狭いベッドの中で抱きしめられる。
その腕に手を絡めて、引き寄せる。

「幸せだな、と思って」
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