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第84章 パイプベッド
羚汰がうなじから耳元の間あたりに、顔を押し付けるようにしている。
キスをしているというより、匂いをかいでいるようで、くすぐったい。

「ん...。稜が幸せなら、俺も幸せ」

呪文のように羚汰がつぶやいている。

まだしんどそうな羚汰に囁くようにゆっくりと話しかける。

「今日は疲れたけど、本当に楽しかった。皆の馴れ初め話も聞けたし、羚汰の小さな頃の写真も見えたし。なにより、すっごくすんなりでちょっとびっくりしたけど、歓迎してもらえて嬉しかった」

言い終える頃には、寝息が聞こえてきた。
どうやら子守唄代わりに眠ってしまったようだ。

弱くなった腕の中、少し体をひねって羚汰の顔を覗くと、やはり眠っている。

稜はまた同じ場所に寝転んで、目を閉じた。





しばらく眠っていたが、ふと目が覚める。
パイプベッドに1人で寝ていたようで、慌てて体を起こす。
まだ窓の外は薄暗い。

羚汰は?

床にも寝ていない。

気持ち悪くなってトイレにでも?

そう思って同じ2階にあるトイレに行くも、誰もいない。

部屋に戻ろうか、リビングがある下に様子を見に行こうかと考えていると、誰かが階段を上がってきた。

「何してるの?」

水を持った羚汰が不思議そうに稜を見ている。
誰が来たのか分からずとっさに観葉植物の裏に隠れたのだ。

「羚汰。大丈夫??」

何気なくその裏から顔を出したのだが、隠れようとしたのがバレバレだったらしく羚汰が声を殺して笑っている。

「も、ヘーキ。ほら、部屋戻るよ」

連れられて部屋に戻り、またパイプベッドに腰掛ける。

その横に座らせ、持って来たペットボトルの水を渡された。

「飲む?」

「うん、ありがと」

羚汰も横で水を飲んでいる。

「なに?」

「なんでもない...」

水を飲む姿に見とれていたとは言えない。
稜も慌てて水に口をつける。

今度は羚汰がこちらを見ているようで、水が飲みにくい。

「シよっか」

口に含んだ水を吹き出しそうになって慌てて飲み込む。

「...っ、ふぇ?」

持っていたペットボトルと蓋が取り上げられ、閉められて放られる。

「え、ちょ、うそ...でしょ」

狭いベッドの上で迫られて、体が仰け反る。

「嘘じゃないよ。シよ。...ね?」

楽しそうに羚汰が笑っている。
どうやらすっかり元気にはなったらしい。
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