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第84章 パイプベッド
羚汰の手が稜の手を包むようにして動いて、稜の濡れ広がったワレメから膨れた芽を擦りつけるように往復する。

まるで自分でそこを刺激しているようで、恥ずかしい。

当たる度に体がビクっと動いて恥ずかしいのに、背中に枕を差し入れられたセイなのか目が離せない。

固く張り詰めた先が、今にも入りそうで入らない。

体を丸めたまま羚汰を見上げる。

「りょたぁ...」

「っは...っんと、エロ...」

往復していた動きに新たな力が加わって、稜の体に衝撃がやってくる。

「んぁっ、んんっ」

先がにちゃっと音を立てて沈むと、稜の手を掴んだ羚汰がその手をつなぎなおす。

つい今しがたまで掴んでいたあの熱いモノが、ゆっくりと押し広げて入って来ている。

いつもより時間をかけて進むその存在に、集中して全身で感じる。

「...はぁ」

「くっ、すご...」

奥まで辿り着くと、羚汰が息を吐きながら呟いている。

蜜で充満したナカを、熱く硬い塊が移動する。
動きが早くない分、その先の存在がハッキリ感じ取れてイヤラシイ。

普段なら徐々にに早くなって動き回るのに、いつまでも羚汰のその動きがゆっくりで、早くなる気配がない。

背中の枕が抜かれて、抱きしめられ、舌を宙で交わしても、羚汰の腰はゆったりとしかし艶めかしく動いている。

気持ちいいものの、やはり物足りない。

いつもみたいにシて欲しいのに、その動きが焦れったくて、体が苦しいぐらいだ。

背中に回した手を羚汰の腰に伸ばす。

「羚汰っ、...ねがいっ、もっと...」

見上げると、その額にはシワが入っていて羚汰も苦しそうだ。

「いつも、みたいに、...シて?」

「音がしちゃうけど、いいの?」

どうやらベッドの音を気にしての動きだったらしい。

「だって、このままじゃ、...いやなの」

ふふっと羚汰が笑って、耳元に唇を寄せてくる。

「どうして欲しい?」

耳を舐めながら、吐息を吹きかけて囁いてくる。
腰の動きも少し力強くなって、稜の体が欲していた動きにうねる。

「あ...」

「稜、...言って?」

せっかく勢いついたと思った羚汰の動きが緩くなる。

上半身も少し起こして離れてゆく。

「...だめっ、もっと」

「もっと、何?」

苦しそうに息を吐き、座るような姿勢になった羚汰を見上げ手を伸ばす。
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