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第85章 母の思い
むっちゅっ、という音と共に唇が重なって離れる。
濡れた唇を羚汰の親指がなぞる。

「ホントはもっとしたいんだけど、そろそろ...」

その言葉通り、ばたばたばたばたとチビたちが舞い戻ってくる音がする。
2人で目を合わせて笑う。

「ユミちゃんちがうってー!」
「やっぱりリョウがわるいんじゃん!」
「おねえちゃん、あっちいこー」

羚汰から引き剥がされて、ダイニングのほうに連れていかれる。

「え、ちょっと」
「いいからいいからー」
「お腹空いた。俺も行こ」
「リョウはだめー!」
「なんでだよっ」

4人で転がるようにして廊下を移動する。

ダイニングには、美味しそうなパンの匂いが溢れている。
羚汰の父親も起きていて、小さくパンやサンドイッチをカットしていた。

「おはよう。よく眠れたかな?」

お決まりの挨拶だろうけど、気のせいだろうが、なんだか何をシタのかを見透かされているようで恥ずかしい。

「あ、はい」

みんなで手伝って、パンやまたしてもケーキなどを並べる。
知世もイルマも起きていて、キッチンでフルーツをカットしている。

「いただきます」

テーブルにつくと、羚汰の兄の修太郎と、アリの姿がない。

「シュウは、いつも通り昼まで寝てるんでしょ。アリは昨日から、あっちだけど?」

そっと羚汰の母親に尋ねると、そう答えが帰ってきた。

アリはあっち??

不思議がっていると、子どもたちが教えてくれる。

口にパンや牛乳を入れながら、2人で思い思いにしゃべるで分かりにくかったが、どうやら要約すると。

門限の10時以降になる場合は、締め出しで。
思いほか遅くなったアリは、昨日は片付けていた新居のほうへ泊まった。

そういえば、トランプしている間にイルマは帰ってきてて、アリの姿はなかった。

子どもたちは、アリがいなくなるのさみしいー。と悲しそうだ。

その横で、こっそり羚汰に身を寄せてつつく。

「そうなの?」

羚汰を見ると、笑っている。
どうやらアリが居ないのは知っていたようだ。

あんなに隣に、つまりアリに聞こえるといけないと思って、声を我慢したのに。

「ひどっ!」

「だってそーでも言っとかないと、稜、よがりまくるでしょ」

パンチしようとした腕をつかまれ、耳元で楽しそうに囁かれた。
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