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NEXT 【完結】
第85章 母の思い
「...本当なんだね」

ぽろっと思ったことが口に出た。

羚汰が、えっという顔をしている。

「ごめん。違う。信じてなかったとか、そーいうのじゃないんだけど」

前カレの時は、ちょっとでも進むのが大変で。
結婚の話を向けてから、稜の両親に挨拶に行くまでで、すごく時間がかかった。
ハッキリ覚えていないが半年近くかかった気がする。
会いに行くと予定していた日を、土壇場になって、仕事だの子どもが熱出しただのとキャンセルされたことが何度かあって。
指輪を見に行くという話も、同じような理由でいつの間にかなくなって。
ムリヤリ両親のところに連れて行った気がする。
そこで反対されたこともあって、2人の関係は急速にフェイドアウトした。

こうやって羚汰を見ると。
本当に結婚のことを考えてくれているのがよくわかる。
進んで両親にも会ってくれたし。
羚汰のご両親にもすごく温かく迎えてもらえて。
少し急速な気はするものの、結婚に向けて本当に進んで行っている。

「ホントにホントに結婚、するんだ...」

手にはまだ羚汰のお父さんの書いたメモを握ったままなのに気付く。
新幹線がホームに入って来る強風がして、手の中からハミ出たメモがバタバタとはためいたからだ。

ずっと手に持っていたからか、しわくちゃな上、少し湿っている。

「あ、何。今サラ実感?」

大きな音に負けないようにか、羚汰が耳元で大きな声をする。

「この新幹線みたいに、今、ドーッって実感した」

「あはは。何だソレ」

扉が開いて、新幹線に乗り込む。

自由席だったが、少し早めに並んだからか無事座ることが出来た。

手に握りしめていたメモをテーブルの上で広げてシワを伸ばす。

「何、それ取っとくの?」

「うん。お義父さんからもらった初めてのお手紙でしょ」

上の荷物棚に荷物をしまっていた羚汰が、苦笑いしている。

「へー。...手、どけて」

羚汰に言われて、テーブルの上にあった手を下ろす。

お弁当を買っていたのを乗せると思っていると、かなりドサっと重い音がした。

「え、何買ったの?」

随分重量のあるお弁当だなと思って、ビニールを開けようとすると。
なにやら派手な花柄のような模様が透けて見える。

お弁当と思っていたがどうやら、雑誌のようだ。

「...これって」

誰が見てもわかる有名な結婚情報誌だ。
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