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第85章 母の思い
ちょうど洗濯機の1回目が終わった音がして、ついでに羚汰を見送る。

羚汰が靴を履きながら玄関で笑っている。

「晩御飯のこと聞いたんだけどー」

「え!そうだったの?」

「それに、ケーキとかあんじゃん」

羚汰の母親に無理矢理残ったケーキやクッキーを持たされたのだ。
もう当分は見たくないぐらい食べたのに。
断れなかった自分が恨めしい。

「ま、適当に買ってくる」

羚汰がしょんぼりした稜の唇にチュッと唇を重ねて、出かけていった。

羚汰が帰ってくるまでには、せめてテーブルの周りは片付いていないと。
大急ぎで、洗濯物を干して、入り切らなかった2回目を回す。

羚汰が荷物いっぱい買って帰るまでに、なんとか片付いた。
隅にはやったものの出来上がったお土産の山で部屋は少し狭いが仕方ない。

「お、だいぶ床が見える!」

羚汰は喜んでいるが、向こうの寝室で洗濯物を干しまくっているのは言えない。
寝るときにリビングに洗濯物干しを移動させればいい。

「じゃ、俺作るから。稜お風呂ゆっくりどーぞ」

羚汰の言葉に甘えて、ゆっくり浸かる。
やはり日本式のお風呂が落ち着く。
イタリアや日本で泊まったホテルも溜めたりしたが、深さが浅かったり。誰かがジャマしたりと、落ち着いて入ってない。

すっかり長湯をして出ると、テーブルには料理が並んでいる。

「和食が食べたいかなーと思ったんだけどさぁ」

羚汰は、普段あまり作らない。作ってもイタリアンだ。
すこしでも和風にと思ったのか、テーブルには、明太子とキノコの和風パスタと、チキンの照り焼き風ソテー。
他にも、緑の葉っぱのサラダ、ゆで野菜など野菜も多い。

「すごい!美味しそう!!」

「よかった。じゃ食べよっか」

「うん」

いつもの様にソファの前の床に並んで座る。

「「いただきます!」」



お腹いっぱい食べた後は、久しぶりに羚汰の入れるカフェラテだ。

「イタリアのが美味しいと思うけどー」

「えー。わたしは羚汰のが好き」

結局、イタリアでは馴染みのない“カフェラテ”はどこでも飲めなかった。
かろうじて飲めたカプチーノは、美味しかったけどやはり稜にはコーヒーが濃い。

「はい」

「ありがと!」

並々とマグカップに入ったカフェラテを、そーっとソファまで運ぶ。
コーヒーのいい匂いが鼻をくすぐる。
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