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NEXT 【完結】
第86章 NEXT
さっきまで座っていたテーブル前のスペースは、テーブルを動かさないと狭すぎる。
しかし、テーブルの向こうには、空になったとはいえ、大小のスーツケースがあって。
絨毯でないフローリングのスペースなら少し空いている所があるが、周りにお土産もあるし。
フローリングではこれからスル行為は痛すぎる。

「...羚汰?」

周りを見渡していた羚汰が、その体を引き抜く。

「...やぁっ、やめないでっ」

その言葉を言い切る前に伸ばした腕を捕まれ、体の向きが変えられる。

「はっ?やめねーし」

少し乱暴にソファに向かうように体を起こされ、背の部分を掴まされたと思ったら、後から強く羚汰が入ってくる。

「ああっ!」

稜の体が反り返り、軽くイったのも構わず羚汰が腰を押し進める。

体から力が抜けうねるその腰を持ち上げるようにして、羚汰が動きを加速させる。

「...やぁああっ、んぁああっ」

「っ、...ああ」

連続で訪れるその大きな波に、体が大きく揺れる。

そのままソファに突っ込んでしまいそうになり、それに気づいた羚汰が腰を打ち付けながらもその体を抱え起こしてゆく。

「稜...。稜...」

腰をつかんでいただけの手が、体を這い回り、唇がうなじと肩の間あたりに押し付けられている。
その場所で、何度も何度も稜の名前を口にしている。
呼びかけるというより、思わず声に出てしまっている、といった風で。
呼ばれる度に体以上に心がきゅーっとなり、もう何度目かわからない果てにまた飛ばされた。

喘ぐ声も、もう声にならない。
自分がどんな体勢なのかも忘れ、必死で羚汰の腕に手を回し、意識が飛ばされながらも稜もなんとか名前を呼ぼうと試みる。

「んっはあっ、...ょおっ、ああっ、...りょ...っ」

言葉にならないのが、羚汰にわかったらしい。
抱きしめていた身体を少しだけ緩めて、稜の体をひねり起こすと、その唇に舌を近付ける。

宙で舌が交差し、互いの口をも舐めまわす。

「も...、っも...ぉ」

もう、ダメ。

何度もそう思ってそう口にしたハズなのに。

「...もっと?もっとなの?」

耳元で苦しそうな息の合間に、甘く蕩けたような羚汰の声がして、何故だか頷いてしまっている。

「もっと...、もっとシテ...」
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