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NEXT 【完結】
第86章 NEXT
「...早く寝よ。俺はともかく稜は仕事だもんね」

言い聞かせるように、羚汰がベッドに沈んでゆく。

あと数時間で仕事が始まる。
その事実になんだか不思議なカンジだ。

もう下着の換えがなくて、2人とも裸のままで。
押入れの奥底には探せばあるかもだが、そこまでして探す気にはなれなかった。
そうなるとパジャマもTシャツも面倒で、バスタオルだけ解いて裸になって横になり、タオルケットに潜り込んだ。
真っ裸でももう流石にスル気にはならない。

そう思っていたのに、羚汰の指がゆるゆると稜の肌の上を移動する。

「羚汰」

「シないよ。ちょっと腰のこのクビレのあたりをね、触ってるだけ」

ちっちゃい子どもの言い訳のような口ぶりがおかしい。

小さく笑っていると、羚汰も自分の言い訳に笑っているようだ。

「だって。ソファでの稜、すーんっごかったからさ。それ思い出して」

「やだ、思い出さないで」

改まってそんなこと言われても。
あの時は無我夢中だし。今とは違う。

「あんなエロい稜、忘れられないよ」

ゆるゆると胸に進む羚汰の手を掴んで、その手にぎゅうっと力込める。
首のあたりにキスされて、体をくねらせてしまう。

「寝るんだってば」

「うん。ごめん。そうだった」

手の動きはなんとか止まっているものの、唇はあたりを弄るようにまだ這っている。
体を少し起こして、それから逃れる。

「...りょーたっ」

「シないって。ちょっと、こう。いちゃいちゃしてるだけじゃん?」

また腕が引っ張られ、羚汰の胸の中に引き戻される。
耳を咥えるほど近くで囁いてくる。

「それとも。さっきのアレじゃ、やっぱ稜は足りなかったの?」

「えっ!まさか!」

あんなに激しく交わりあって、求めあって、充分過ぎるほど満たされた。
常にといっていいほどセックスしまくった旅先でもあそこまで激しくしていない。

「じゃ、いいじゃん。俺ももうそこまで元気ナイし」

「でも、もう寝ないと」

「うん。もうちょーっとだけ」

羚汰が首元で顔をこすりつけて、匂いを嗅いでいる。

「やだ、くすぐったい」

逃げるように体をかがめると、追いかけてくる。

「ちょっ、じっとしてってばー」

笑いながらベッドでじゃれあって、いつしか見つめあってキスをする。

「こっち向いたらダメだよ。キスしたくなんじゃん」
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