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NEXT 【完結】
第2章 遭遇
「ほら、最近イイかんじの人がいるって言ってたじゃん。
何回かデートしたんでしょ。そろそろ。。。」

目をキラキラさせて千夏が聞いてくる。
さっきからキャッキャ言ってたのはコレが聞きたかったのね。
自分からあまり恋愛話をしない稜に、千夏は聞き出すキッカケを密かに探していたらしい。

今回は、騒音問題で、そっちの話に傾いているが、
元々稜は恋愛話、特に自分のをするのが好きではない。

それは、苦手意識の他に、
経験豊富な千夏や、若い時からラブラブな家庭を築いている有希子に比べてなんとも貧相な経験しかないという負い目のようなものもあった。

「ああ、あれ。...終わった」

「えー!!」
「えっ。展開早くない?」

「終わったってゆーか。始まる前にフラレた?のかな。うん」

「なんでなんで?先月聞いたカンジだと、よさげだったのにー」

「私もそー思ってたんだけど、
...彼女が出来たって報告された」

「はい??」
「ついこないだ浴衣着て花火行ったりしてたよね??」

聞きたいのはこっちのほうだ。

職場の上司の紹介で、正式な見合い、というワケではないが、親戚の35歳の人を紹介された。
都会のサラリーマンをやめて行政書士の免許を取り直し、この度、田舎に戻って来て小さな事務所を立ち上げた。
こっちでは友達も少なく、お嫁さんを探しているー。
そう聞いていた。

会ってみると、誠実で真面目そうな人で、
特別意気投合したりはなかったが、
結婚するならこんな穏やかな関係もいいかなと考えていた。
草食系らしく、あまりぐいぐい来るカンジではなかったが、
上司の猛プッシュもあってか、
食事やデートを重ねていたー。

稜も紹介した上司も、このまま流れに乗ってー。
と思っていたのだが。
つまりは、別の所で彼女が出来そうだったので、
なんとなく会っていたのが、草食系に見えていたー。

「もー、この話はやめやめ!!」

「...じゃこの作戦もダメか。いい案だと思ったのに」


心底残念そうに有希子がつぶやく。
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