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第15章 デート
カフェは、稜も名前だけは聞いた事のあるおしゃれで有名なお店だった。
時間が平日の3時過ぎだったが、ティータイムのお客さんでお店はにぎわっていた。
うまい具合に、数少ないソファー席が空いたので、そこに座ることが出来た。
2人並んでソファー座り、外の景色が見えるようになっているカップルシートだ。
ランチは当然終わっていたので、リョウはカフェメニューにあった、ポークサンドイッチとカフェラテを注文する。稜もカフェラテを注文した。

メニューに、カフェラテはラテアートをすると書いてある。

「どんなのが出てくるかな?」

「写真のこれなんてすごいよね~」

そこには可愛いパンダや、雪だるま、スヌー○ーなどが並んでいた。

わくわくして待っていると、サンドイッチと一緒に、カップが二つやってきた。


店員さんがにっこり笑って、カップを2人の間にくっつけて置く。

「どうぞ。ごゆっくり」

店員さんが去ってから、2人はカップを覗き込む。
ソファーに座っていたので、のぞきこまないとラテアートが見えないのだ。

そこには、リョウのカップにはミ○キー、稜のカップにはミ○ーがそれぞれ描かれていて、しかも2匹は向かい合ってチューしていた。周りにはハートが散りばめられていて、ラブラブなラテアートだ。

「わぁ~!!!すごい可愛いっ!!」

稜は一気にテンションが上がる。

「これちょっと写真撮りたい!」

スマホを取り出して、写真を撮り始めた。
角度が悪いので、立ち上ったり、2人の間に移動したりして何枚も写真を撮る。

ふと、リョウの反応があまりないことに気付いて、稜は振り返った。

「...どうかした?」

「...」

リョウはソファーにどっかり座って、片手が顔にあり、あらぬ方向を見ている。
ラテアートが気に入らなかったのだろうか。
確かに男性にしては可愛すぎるし、ちょっと飲みにくいかもしれない。

「ねぇ...」

リョウの腕に手を掛けようとしたところを、ぐいっと掴まれる。

振り返ったその顔は真っ赤になっていた。

「えっ、どうしたの」

「なんか、...めっちゃ照れる。嬉しすぎて」

「?」

「あの店員さんには、俺らがこう見えたってことでしょ」

「!」

稜の顔も赤くなる。
いつもキザなセリフを言ったり、あんなキスまでしといて、こんな事で真っ赤になるなんて反則だ。
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