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第15章 デート
「...冷めるから、飲もうよ」

恥ずかしいのをごまかそうと稜は、カップに手を掛ける。

「待って。俺も写真撮りたい」

リョウもスマホを取り出し、写真を撮る。
立ったり、屈んだり、色んな角度で。
少し離れても撮る。

「!今、私も入らなかった?」

「うん。入れたよ」

「ちょっとやめてよ!油断してたし!」

「じゃあ、可愛く撮るからこっち向いて?」

「...やだ」

「けっちー」

稜は今度こそカップに手をかけて飲み始めた。

パシャッ。

「!」

「可愛く撮れたよ」

肩を寄せて、撮った写真を稜に見せながら、にんまりリョウが笑う。
さっきまで顔を真っ赤にしていた人物とは思えない。
その画面にはカップに口をつけて飲み始めた稜のアップがあった。

「恥ずかしいから消して」

「大丈夫。誰にも見せないから」

消されないようにと思ったのか、スマホをそそくさとしまって、ポークサンドにかぶりつく。

「!うまひよほれ!!」

口いっぱいに頬張って食べる。

「食べる?」

大きく2つにカットされて出て来ていたので、残りの1切れを勧めてくれる。

「私はいいよ。さっきいっぱい食べたから」

「そっか」

「スタッフさんたちは食べれなかったの?勿体ない。あんなに美味しかったのに」

「いや、みんな今頃食べてるんじゃないかな?」

「えっ」

「俺は抜けさしてもらったから」

「大丈夫?この後戻るの?」

「ううん。エンリコにお願いして、俺このあとも休みもらったの」

「夜の部は?」

「ホントはね、夜もバイトなんだけど」

いつもエンリコ付の通訳さんが、昨晩から体調を崩してしまった。
都会からもう一人通訳を呼び寄せるにも、急なことなので昼の部までには間に合わない。急遽、スタッフの中で話せる人、ということでリョウが選ばれたらしい。

「シェフもイタリア修行してたししゃべれるんだけど、随分話してないからって。俺もちょっと留学しただけだし、自信なかったんだけど、エンリコがゆっくりしゃべるから大丈夫だって」

「エンリコさん、すごい早口だった気がするけど」

「そーなんだよ!最初はゆっくりだったのに、段々テンションあがっちゃって、ワイン飲んじゃって。俺もいっぱいいっぱいで、めっちゃ疲れたー!!」

「でもすごかったよ?」
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