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第15章 デート
「エンリコにさ、夜の部はお休みくれって言ったら、最初はダメだって言われて。夜もお前の通訳で行くって」

「えっ」

「だから、好きな子とデートしたいんだって言ったんだ。そしたら、笑って『それは是非行ってこい』ってさ。イタリア人らしいよね」

「...ひょっとして私がお店から帰ろうとした時?」

リョウが笑う。

「うん。そう。俺が高崎さんばっか見ていたのを気付いてたらしくて、『あの子だろ?』って」

お店から出るとき、やたらとエンリコと目があって、ウィンクもされた。

こういう事だったのね。

「昼間のデートってしたことないし。こんなチャンス滅多にないから」

確かに、平日の昼間に出歩くことはそうそうない。
リョウは土日がバイトだし。2人で昼間の時間があくことはないのだ。

「じゃ、行こっか!」

リョウが勢いよく立ち上がって、左手を当然のように出す。

「次はどこに?」

自然に右手をその上に乗せる。

「考えてたんだけど、R遊園地はどう?」

ここから快速で30分ほど行った先にある、遊園地だ。
田舎にしてはそこそこ乗り物があるが、あまり新しくはなく人気がイマイチだ。

「今年から大規模なイルミネーション始めたみたいなんだ。時間的にもちょうどいいし」



R遊園地に着くと、5時過ぎだった。
だんだん日が落ちていくちょうといい時間で、2人手をつないで園内を歩く。

通常営業の6時までは乗り物も動くらしい。それ以降は、観覧車とメリーゴーランド以外の乗り物は止まってしまう。

稜はジェットコースター系に乗ろうと誘ったが、リョウが頑なに嫌がった。

「ジェットコースター苦手なの?」

「...高いとこ、無理」

「えー!ここ、ちいちゃいのしかないから、そんなに高さないよ?」

「無理無理。だって、古くってガタガタ言ってるよ!」

確かに横を通るとすごい音がしている。

つないだ手から緊張が伝わって来ていて、思わず稜は笑ってしまう。

「俺、ここで待ってるから乗ってくる?」

拗ねた顔でそう聞いてきた。

「えー、一人でとか寂しすぎるじゃん」

「はい。じゃあもう乗り物はおわりー」

2人はそのまま、園内に点在するイルミネーションをゆっくり見て回った。
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