この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
NEXT 【完結】
第15章 デート
「きゃっ!」

後ろから、ぎゅっと抱きしめられる。
お互いゴツいコートを着てはいるが、この密接具合は恥ずかしい。

「あー、あったかい」

「ちょっ。くすぐったい」

「ほら、始まるみたいだ」

時間になったらしく音楽が始まり、一旦真っ暗になる。それから音楽に合わせて、イルミネーションが点滅しはじめた。
すごく幻想的で、キラキラと美しい。

大きなアクションがある度にそこかしこで歓声があがる。

「綺麗」

「うん」

あっという間に15分のショウが終わった。

「すごかったねー!」

「すごかった。もっとショボイかと思った」

「ひど!」

「えー、そう思ってたでしょー?」

2人でくすくす笑う。

「...ねぇ。そろそろ立とうよ」

もう心臓がもたない。立ち上がりたいが、手をほどいてくれないと立てない。

「ヤダ。もうちょっと。このままでいいからこうしてたい」

「!!...恥ずかしいから」

「...今立ち上がったほうが恥ずかしいよ」

「?」

「周り、そっと見てみて」

言われてそっと周りを見てみると、そこら中でカップルがキスしていた。

「!!」

「あのショウを見ながらキスしたカップルはどうの、って看板、あったでしょ?」

そんなの気づかなかった。

「...俺らもしよっか、キス」

「!!ムリ!」

「ちぇー」

「恥ずかしいよ」

「...嫌じゃないんだ」

リョウの腕の力が緩まる。

何て言ったからいいかわからない。確かに嫌ではない。というか、本当は嬉しい。でも、何て言う?

「...嫌だったら、来てないよ?」

後ろでリョウがふっと笑った気がした。
次の瞬間、苦しいぐらい抱きしめられる。

「ぎゃっ」

「やばいよ。ちょー嬉しい!!」

稜の肩に顔を押し付けている。

「やっぱり、キスしたい」

もう体を離され、苦しい体勢ながら顔を向けられる。
そこにはすこぶる笑顔のリョウがいた。

「嫌じゃないんだよね」

「...うん」

そっと唇が触れる。

何度かそっと触れる。

唇が少し開いていて、お互いの吐息を吸い込み、唇を食む。

何度かそんなキスをして。最後にちゅっと音がするキス。


だけど、それだけ。

「じゃ、行こうか」

リョウが立ち上がった。

てっきりいつもの様に情熱的なキスをすると思っていた稜は、少し呆気にとられる。
/1240ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ