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第15章 デート
ラーメン店でもスタバでも、稜はさっきのキスことで頭がいっぱいだ。
既に、“さっき”のことではない時間だが、それでもキスのことばかり気が付くと考えている。

リョウと何か会話をしたが、あまり内容は覚えてない。

気が付くと、マンションまで戻って来ていた。

ドアの前で、名残惜しそうに2人立っている。
勿論、まだ手は繋いだままだ。
指が絡まり、2人の距離も近い気がする。

「...今日はありがとう。楽しかった」

「うん。俺の方こそ。ありがと」

リョウの手が、稜の髪をそっと撫で、そのまま数本を下までするりと触る。

いつもは下を向いたままだが、思い切ってリョウの顔を見る。

至近距離に優しい目をしたリョウがいた。
今にも匂い立ちそうな色香をまとわせ、その瞳に吸い込まれそうだ。

稜は何かに引き寄せられるようにして、リョウの唇にそっとキスをした。
空いていた左手でリョウの顔をそっと包む。

「!」

唇をそっと押し当て、リョウの下唇にそっと吸いつく。次は上唇。ゆっくり、そっと触れるか触れないか。

さっき駅前で買ったブレスケアの匂いがする。

「はぁ...」

リョウの口から吐息が漏れる。

稜は少し躊躇ったが、そっと舌を差し入れた。

リョウの舌は既に待っていて、優しく稜を迎える。迎えた途端、強く稜の中へ入って来た。

抑えていた感情が溢れ出す。

あんなに強く握っていた手が離れ、お互いの体を強く引き寄せようとしている。リョウの手は稜の頭をがっちり掴み、稜の手はリョウの首筋を回っていた。

お互いが強く求め合い、絡まって深く深く舌が踊る。
荒い息が頬をくすぐる。

今までのキスとも違う、激しいキスだった。

稜は自分の足が震えているのに気付く。立ってられない。
リョウの片腕が腰に周り、ぐいっと引き寄せられた。

目を閉じてキスに溺れながらも、必死に稜も応え強く舌を絡ませてゆく。
そんな稜に気付いたのか、稜の片手を掴みドアに押し付けるようにして、リョウは応えるように強く深く舌を這わせる。
離れては吸い付き、お互いを激しく貪り合う。

「はぁっ...」「...はぁ」

究極に苦しくなって、やっと離れる。
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