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第18章 露呈
布団に入り抱き合って寝転ぶ。

稜の髪をやさしく撫でながら、羚汰がつぶやくようにまた謝る。


「ホントごめん...」

「...謝らないで」

「...うん。俺...」


そう言って、稜を強く抱きしめる。

何か言いたそうな羚汰だが、無言の時間が続く。

稜の頭をゆっくり撫でる手が、無気力で何かを物語っているように思えた。


「ねえ。羚汰?」

「...ん」

「何か、あった?」

今朝までの羚汰では明らかになかった。

「違う。ホント俺...」

「ん?」

腕の中で稜が見上げるようなカタチで羚汰を覗き込む。

不安そうに揺れる瞳に、稜まで不安になってくる。

「...ごめん。何て言っていいか...」

ヤったことで、気持ちが冷めたのだろうか。
十分ありえる。
元々、私のことが好きになったほうがありえない。
歳の差もそうだし、あまりに違う環境。
その未知の違いに憧れを抱いていたものの、現実が見えたのかもしれない。

稜の頭の中でぐるぐる現実が回る。


別れたいんだ。

って言うか、きっとなかった事にしたいんだ。



稜は悟った。

言い出しにくいのだろう。
ここは私から言うべきかもしれない。

羚汰の体を抱きしめる。


「...ありがとね」

「え」

「いいよ。言わなくて」

「...そう?」


少しほっとしたのがわかる。

緩まった腕から、そっと体を離して起き上がる。


「うん。大丈夫。いいよ、何も言わなくて。わかってるから」


「...稜?」


胸が締め付けられ声が震える。

楽しかった数日間もきっと妄想だったのだ。
そう思えば、なんとかやり過ごせるかもしれない。


「...大丈夫。私も、何か違うなーって思ってたの」

「待って」

「気にしないで。忘れるから。だから...」

嫌な沈黙が流れる。



「...別れる...の?」


羚汰の乾いた声が広がる。


顔を見えないが、きっとほっとしているのだろう。


稜は身動きが取れずにいた。



「...やっぱり」


羚汰が、大きくため息を吐いたのがわかる。



早く部屋から出て欲しかった。

羚汰の存在が胸を痛めつける。


羚汰が立ち上がったのがわかった。

ゆっくり歩いてドアへとむかっているのだろう。



稜は立っているのがやっとになり、部屋の中央のラグにへたり込む。
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