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第20章 ウワサ
「えー!全然?」

「まあ、学食で定食なんかで、おひたしとか、煮物とか、焼き魚とか、たまーに食べるかな。でも、うちの学校人数が多いからさ。学食スゴイ人なんだよねー。学部的に、学食まで遠いからさ、着いたら大行列。だから、パンとか買ってきて食べることのが多いんだよねー」

「へー、確かにK大って凄そう。学生の時に何回か学祭行ったけど、迷うもんね」

パンをお皿に取って、ソファーのテーブルに置く。
もうすぐカフェラテも入りそうだ。
パンとコーヒーのいい匂いが食欲をくすぐる。

「はい。カフェラテ」

「ありがと。あれ?羚汰は?」

「俺は牛乳。カフェラテ何杯もは飲めない」

「そうなんだ。ごめんね。私のだけ」

「いいよ。で、幻のカレーパンはどれ?」

稜が、沢山の中から、カレーパンを指し示す。
2人でまずはカレーパンにかぶりつく。

「美味しい!辛さが絶妙!!」

「よかった〜!」

「他のも食べてい?」

「もちろん!!このパンはねー...」

しばしお腹がいっぱいになるまで、パンを食べた。


「そういえば、稜はどこの大学?短大?」

「S女学園」

「え?隣の県の?」

「うん。そう。よく知ってるね」

稜が通った大学は、この近くの駅から快速で1時間近くかかる隣の県の女子大だ。
実家から通うには遠すぎるが、S女学園は隣の県といっても田舎にあるし、で、通える範囲のこのマンションで一人暮らしを始めた。
同じ学校だった千夏は、学校の女子寮に入っていた。
後で同郷ということがわかり、通ってることに驚かれた。

「じゃ、このマンション住んで長いの?」

「うん。もうすぐ12年なる。それもあって部屋引っ越そうかなーって、思ってみたんだけど」

「...12年」

ぽそりと羚汰がつぶやく。

稜は、ハッとした。

年齢を確認してる?そういえば、今までハッキリ年齢を言ったことなかったかもしれない。
自分が若く見えるとは思わないけど、30歳過ぎてたらやっぱり引くかな...。

稜のドキドキが収まらない。

「でも、稜、うちの大学来ても学生で通るよ?」

「えっ!いくらなんでももう無理!!」

「大丈夫、大丈夫!老けてるやつはめっちゃ老けてるから!案外いけるって」

「ちょっとそれどーいう意味!?」
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