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NEXT 【完結】
第25章 ジェラシー
どうしたら、と言われても...。

「ほら。困るでしょ。だから言おうかどうしようか迷ったんだし」

確かに...。

「でも、話してくれて嬉しいよ」

「...ほんとに?」

「うん。だって、そのまま黙っててもわかんないし」

「うん...」

「私はね。どっちかってゆーと、束縛したいほうだった。でも、羚汰じゃないけど、言うのが怖くて。言えないまま、なんか歯車が狂って、別れたの」

三年前に別れた前彼は、バツイチで、離婚した奥さんに引き取られた子供がいた。その子供の行事だのなんだので、稜は我慢してばかりだったが、不満は言えなかった。
今思えば、子供の運動会や参観日といいつつ遊び回ってたのかもしれない。
そうじゃなきゃ、別れてから3ヶ月で再婚にはならないだろう。

「私は、我慢することが、なんか美徳じゃないけどさ、いいことだと思ってたの。でも、別れるときに、『わがまま言って欲しかった』って言われた」

三年前には言われた意味がイマイチわからなかったが、今はわかる気がする。

「2人で、話し合おう?」

解決するしないの問題ではなく、話をするということが大切なことなんだ。

「羚汰とは、ちゃんと向き合いたいから」

前彼の時は、そんな話を避けていた気がする。

「稜...」

羚汰が胸に稜を引き寄せ、抱きしめる。

「やっぱ、すげー好き。こんなに好きになったのが、稜でよかった」

心底ほっとした様子の羚汰に、なんとか気持ちが伝わって稜もほっとする。

「ふふふ。私も、羚汰が大好き。こんな私を好きでいてくれてありがと」

「なにそれ!めちゃ可愛いんだけど」

羚汰の腕がよりきつくなり、稜は胸に押し付けられる。

「ねぇ、俺のどこが好き?」

「えっ」

「なんか聞いたことない気がして」

腕の力が緩められ、羚汰の目が数センチ先でキラキラとこちらを見ている。

どこが、って考えたことなかった。

「うーん。全部?」

「何それー!何かズルくね?」

「羚汰の笑顔も好き。このふわふわの髪も。目も鼻も口も」

そう言いながら、手で顔をゆっくり撫でる。

「この口を見てたら、キスしたくなる」

羚汰の顔が近づいて、唇が軽く触れるキスをする。
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