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第27章 親友2人の反応
「その...」

どう話し出せばいいのか、困ってしまう。
今日、2人に会う前にどう伝えるか考えようと思っていたのに、寝坊してしまって全く考えていない。

「言えないような人ってこと?彼女持ちとか不倫とか」

「まさか!」

「じゃ、何?」

「...2人とも、驚くと思うんだけど...」

2人に近づくように小さく手招きする。
2人が稜の前に耳を近づける。

「この前ラコルテで会った、マンションの隣の部屋のリョ...」

そこまで言うと、2人とも誰の事か分かったらしい。

「「えええっ!!」」

耳を離して稜の顔を見て、お互いの顔を見て、また稜の顔を見る。
意外なところで2人の息が合う。

「えっ、何がどうなってそうなった?」

「それは流石に予想してなかったわ~」


稜は、ざっとかいつまんで、付き合うようになったまでを説明した。
あの時にラコルテで会ってから何かと頻繁に顔を合わせるようになったこと。
電球を代えに部屋に入ったことや。
コンパの話やエレベーター前でのキス。
おでんデートをして告白をされ、お試しデートを提案され。
料理教室の後にイルミネーションデート。
その後に、もう一度告白されて付き合うようになった。

あっという間に時間が過ぎて、テーブルに案内されてもまだ話は終わってなかった。

それぞれ食べたいものを注文してもなかなか運ばれてこず、やっと手元に来たあたりで、話がとりあえず終わる。

「...とりあえず、食べよっか」

有希子がそう言って、稜はドキドキしながらも食べ始める。

「あ、別に私は反対とかしないから、安心して」

稜の様子に気付いた有希子が、食べながらそう言いだした。

昔から有希子は色んなことに気が付く子だった。
生徒会の副会長を務めたのもダテじゃない。

「えっ。そうなの?」

そう言うのは千夏だ。

「うん。質問したいことがいっぱいあるんだけど、食べ終わってからのほうがいいかと思っただけ」

稜は、ひとまず胸をなでおろす。

千夏は何か言いたげだったが、有希子に軽く一瞥されて黙る。


稜は、目の前のベリーたっぷりのフレンチトーストを食べ始めた。
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