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NEXT 【完結】
第28章 甘い時間
「...なんか、スゲー眺めなんだけど」

急に声がして、慌てて振り返る。

裸にガウンを着て、前も合わせずに四つん這いになってタオルで雑巾掛けのポーズをしていた。しかも、おしりを羚汰のほうへ向けている。

「きゃっ」

尻餅をついて、慌てて前を合わせる。

ぷっと笑う声がする。

「ごめん。かわいいなぁと思って」

羚汰が近づいてきて、うしろから抱きしめられる。

ズボンだけを履いて、上は裸だ。
しっとりとした肌と、濡れた髪が触れる度に体がきゅうんとする。

「何してたの?」

「ラ、ラグが濡れちゃっててっ...」

「ん?ああ、大丈夫。これ、洗えるヤツだから」

稜がほっとするのが、体を伝ってわかる。

「カラダ、冷たくなってるよ」

「ん。シャワー浴びるね...」

今日はお泊まりセットを持ってきている。
羚汰の腕からするりと抜けて風呂場に向かう。

少し名残惜しそうにしながらも羚汰が見送り、部屋の隅に押しのけたテーブルを元の場所に戻し、上のカップや皿を片付けはじめた。


稜がシャワーから出ると、居間の電気は消されていて、寝室の布団の中で羚汰がスマホをいじっていた。

稜の姿が見えると、微笑んで布団を開けて迎えてくれる。
稜は、迷いなくその胸元に飛び込む。

羚汰の温もりが暖かくて心地よい。
最初の頃は、この胸の中はドキドキし過ぎで眠ることなんか出来なかったが、今は安心して眠りにつける。

「今、見てたんだけどさ。稜、こーゆーのはどう?」

「ん?何?」

羚汰のスマホ画面を覗くと、そこにはパジャマが並んでいた。チェック柄の、前がボタンになっているシャツタイプが多い。男女兼用のページだ。画面の中ではモデルさんからお揃いで色違いを着てポーズをとっている。

「?フツーのパジャマだね」

「俺が言ってたのは、こーゆーのだよ。...稜は、ナンか勘違いしてたみたいだけど」

そう言ってくすくす笑っている。

「!そーなの?私はてっきり...」

稜も、カバンからスマホを取り出し、千夏に無理矢理登録されたあの下着のサイトを開く。

「こーゆーのかと」

「うわっ、スゴ!」

羚汰が、スマホを稜の手から受け取り、マジマジと見ている。

「うーん。確かにエロいけど、俺は稜が買ったやつぐらいがいいかなー?」

「そうなの?男の人って、こーゆーの好きじゃないの??」
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