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第29章 高崎家
稜が四つん這いになった時には、もう腕がつける状態ではなかった。

ついた腕がすぐ崩れ、上半身がうつ伏せになる。

荒い息を繰り返しながら、腕の間に顔を埋める。

「はぁあっ、はぁあんっ、...っんんっ!!!」

何度か腰を打ち付けまた稜が果てると、羚汰がそんな稜の腕を取って自分の膝の上に乗せるように起こしてゆく。

稜の体が力なく羚汰の腕で揺らされ続ける。
前のめりの態勢で揺れ続け、羚汰が腰を動かし続ける。

「んぁあっ、はぁあんっ、りょうったっ、んんっ」

体が仰け反るようにして、ふたりはキスを交わす。
羚汰の手が、稜の胸を鷲掴みして激しく揺らしている。

「あぁあっ、いいっんんっ、すごいっ、奥にぃっんっ」

「俺もっ、スゲー、いいっ!」

「んんっ、もうっ、だめぇっ、ぁあんっ」

体が激しく揺れ痙攣をおこしかけている稜の体を、両腕できつく抱きしめる。

「んぁああっんっ、もうっ、はぁっ、ああっんんっ!!!」

「くぅうっ、...ああっ、...あっ」

2人でそのまま力尽き、前のめりになって倒れそうになる。

羚汰が少し手で支えて、なんとかゆっくりベッドになだれ込む。

その折り重なったまま、激しく息を繰り返す。


しばらくしてから、稜のうなじにキスを落として、羚汰が体を引いてゆく。

そこから稜の記憶はなくなった。


ほんの数分、眠っていたらしい。

羚汰に起こされる。

「...稜?もう、9時になるよ?」

「ん...」

至近距離に羚汰の顔がある。

唇をかるく吸われる。

「稜、大丈夫?」

「あれ、...寝てた?」

「みたい。カラダ、平気?」

ぼんやりとした頭が徐々に鮮明になってくる。

「もうっ、羚汰、ヒドイっ、母さんに聞こえてたらどうすんのっ」

手元にあった枕を投げつける。
羚汰はクローゼットの前で着替えを始めている。

「ん?大丈夫でしょっ。だって、稜、電話の時とか、ちょーエロくってヤバかった。ってゆーか、ヤバ過ぎ」

「...声おさえるの、大変だったんだから」

稜がその時を思い出して、真っ赤になっている。

「でも、ヨカッタでしょ?ドMだね。稜」

羚汰がにやりと笑っている。
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