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NEXT 【完結】
第29章 高崎家
「えー。俺がしたいことって言ったらさぁー、セッ...」

「じゃ、私が考えるっ!」

駅も近づいて人通りが増えてきた。
羚汰の言葉を慌てて遮る。

羚汰がにやにやと顔をのぞき込んでいる。

「...何?」

「んー?今日はやけに可愛いなぁと思って」

最高の笑顔でそう言われて、顔が赤くなりどうしても顔を背けてしまう。

羚汰が歩みを止め、つないでない方の手で背けた顔を羚汰の方に向かせる。

「照れないのー。ホントのことだよ?」

そう言って、ちゅっと短いキスをする。

もうほとんど駅の構内だ。

「!!」

「唇がすっごくエロい」

新しい明るめのグロスをつけていた。
クリスマス特別カラーだとかで、ほのかな赤にゴールドのラメが入っている。

ここ最近、羚汰とは夜しか会わないから、グロスが珍しいのだろう。
元々ナチュラルメイクの稜なので、グロス自体もつけることは稀だ。

「ちょっと!誰かに見られてたら...」

「誰もいないよ?いたとしても別に俺はいいけど」

日曜日の朝9時過ぎは、人もまばらだ。

「...電車、間に合わないから」

稜が、足早に歩き出す。
手をつないだ羚汰が、その数歩あとをほのかに笑いながらついてゆく。

「今日は、帰ってくるんでしょ?」

「うん」

「じゃ、また俺の部屋で待っててね?」

「...うん」

「やった!これで1日バイト頑張れる」

「...羚汰は、体大丈夫なの?」

週末は寝る間がナイぐらい激しい上に、バイトもクリスマスシーズンで忙しいと言っていた。
いつ体力回復をしているのだろう。

「大丈夫だよ。昔から、体力はあるんだよね〜」

それが若さなのだろうか。

「ただ今日は予約の数がハンパないんだよね~。昨日の夜は貸切ウェディングパーティで、そこそこ人はいたけど給仕的には楽ちんだったんだ。今日は昼も夜も、カップル客が多いんだよね~。昨日みたく早く帰れないかも...」

「ん。じゃ、羚汰の部屋で寝て待ってていい?」

「マジで!もちろん!!やべー超嬉しい」

「ふふ。そう?遅かったら熟睡してるかもよ?」

「それでもいいよ。月曜仕事だから、もう会わないって言われちゃうかと思った」


大きな駅に着いて、名残惜しそうに羚汰はバイト先へ。
改札を抜ける羚汰を見送ってから、稜は乗り換えの電車に乗った。
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