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NEXT 【完結】
第29章 高崎家
「ま、今のトコ、母ちゃんも『まさか、あの稜がね~』って笑ってるけど。ねーちゃんがそんな反応だとバレるからな」


「...わかった」

稜は深くうなづく。


バレてたんだ。今朝、ナニをしながら電話をしていたか。



「で、そいつとは結婚しないの?」

「...まだ付き合って2週間ぐらい、だから...」

「へー。何してるやつ?バツイチはやめてやれよ。母ちゃんまた泣くぞ」


前彼と付き合って2年ぐらいの時に、一度だけ実家に連れて帰った。

まずまず好印象だったのだが、彼がバツイチだとわかった途端、母親が泣き出したのだ。父親も無言になり、その日は散々だった。

その後、彼とは気まずくなるし、いい思い出がない。


「バツイチ、ではない。と思う」

まだ19、20歳だ。遊びまわっていたとしても、まさか結婚はしてないだろう。
本人の口から聞いたわけではないが。

「で、仕事は?」

「...」

「何、言えないような相手なワケ?」

「...うーん」

「まさか不倫とか言うなよ?30過ぎて不倫とか惨めなだけだぞ」

「違う。...そーじゃないんだけど」

「母ちゃん達には言わないから」

空人に言うべきか。このまま、はぐらかしてしまうか。

「その、年下で...」

「はぁ?ねーちゃんが??」

千夏たちと同じように、そこには引っかかるらしい。

「だから、...結婚とかは、ちょっと...」

「ねーちゃんだっていい歳なんだし、そいつもまさか5つも6つも下じゃないんだろ?それなら別に、結婚しても...」

車がスーバーの前に着く。
車のエンジンを切りながら、稜が困った顔をしているのに気づいたらしい。

「...もっと、下なんだな。言えよ。怒らないから」

「...ハタチかな?」

「はぁ〜あ??」

「だからっ、結婚とかじゃないから!」

「ハタチって、そいつ学生?」

「うん。K大の医学部らしいんだけど」

「...ねーちゃん、何考えてんの?っつーか、何も考えてねーんだろ」

「...」

稜は返す言葉がない。

「ねーちゃん、結婚したくないの?」

「そういう訳じゃないよ。好きになった人が、その...たまたま歳が」

「たまたまって。10コも下の、しかも大学生と何の為に付き合うわけ?...ソイツも何考えてんの?」
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