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第30章 不安な気持ち

稜が顔を近づけて、軽いキスを繰り返す。

次第に、唇が深く合わさり、舌が交差する。

歯磨き粉の匂いがする。
ピザ食べたから、磨いてきたんだ。

キスをしていても、どこか別に冷静な自分がいる。

稜は強く自分の舌を差し入れ、羚汰の中をかき乱す。

羚汰はそんな稜を優しく受け止めていた。

しばらく深く絡まるキスが続いたが、稜が羚汰を見つめる。


「...羚汰。...抱いて」


稜は起き上がり、自らワンピースを脱ぎ、下着に手を掛ける。

羚汰がそれを制止し、優しいキスを繰り返しながら下着を脱がせる。

その間も、稜は羚汰のスウェットに手を掛け、脱がせていく。


稜は、一刻も早く羚汰に満たされたかった。

頭の中を羚汰でいっぱいにすれば、余計なことを考えなくてもすむ。


その思いが、稜をいつもにない行動に駆り立てる。

「羚汰っ、羚汰っ...」


お互い全裸になり、舌と同じように体を絡める。

羚汰の指が、稜の中心をゆっくり撫でる頃、稜も手を伸ばして羚汰のモノをゆっくり撫でまわす。

互の中心を弄りながら、舌を絡め熱い息を交わす。

稜の手はいつしか羚汰を強く握り上下にしごいていた。

「...っ、りょうっっ！」

「...来て。早くっ...」

みるみる存在を主張するソレを、覆い被さった稜が自分の中心にあてがう。

「稜っ！まだ着けてないから！！」

「いいよ。...今日は大丈夫」

「ダメ！！」

声を荒らげたことのない羚汰が、珍しく声を張った。

その声に稜はびくりとして、動きが止まる。

その一瞬の隙に、羚汰は体を翻し、稜から離れる。

「...ごめん。でも、大事なことだから」

そう言いながら、素早くゴムを装着し、稜の元に戻る。

後ろから稜を抱きしめる。

「ごめん。...稜？」

「ん...。早く来て？」

声を張った羚汰に驚いてはいたが、ちゃんと着けようとしてくれたことは少し嬉しく思った。
それに、今はそれよりー。

体をひねってキスを交わしながら、腰を羚汰の方へ突き出すように動かす。

羚汰の手が、稜の腿を掴んで引き上げるようにして、体を近づけ、何度かそこを手で弄ったあと、ゆっくりと侵入してゆく。

「...んぁっ、はぁあぁんっ」

「はっ、稜っ」